Hi-Ho(IIJ)がNTTドコモのLTEサービスを使った、モバイルインターネット接続サービス「hi-ho LTE typeD」を始めています。そのサービスのうちの一つ「hi-ho LTE typeD 1GB」は、月額3580円で、同時に3つのSIMを利用できます。

 携帯電話のネットワークを利用したサービスを利用するためには、機器側に正しく契約したことを示す何らかの情報が必要です。2Gまでの携帯電話では、これが携帯電話の中に直接書き込まれていました。このため端末を変えるためには、販売店に行って、契約情報を書き換えてもらわねばなりませんでした。

 ところが、同じ2Gでも、EU圏で開発されたGSMには、SIMカードという仕組みがあり、ここに契約者情報が書かれています。端末には、契約に関する情報は保存されていません。SIMカードを装着することで、端末がネットワークに接続できるようになります。

 日本でW-CDMAと呼ばれる3Gの通信方式では、これを継承しています。携帯電話を契約するとSIMカード(NTTドコモではUIMカードと呼びます)を1つ受け取り、これを好きな携帯電話に入れて使います。

 ただし、NTTドコモなどの事業者が販売している端末は、契約を前提に値引きしてあるため、自分のところのSIMカードしか受け付ないようにしてあります。これを「SIMロック」といいます。

 簡単にいうと、SIMカードは、自分の契約そのものであり、1つの電話番号に対応します。

 前述のHi-HoのLTEサービスは、SIMカードが最大3枚まで利用できます。つまり、3つの端末で同時に通信することができるのです。筆者は1つをLTE対応のモバイルルーターに、もう1つはスマートフォンに、もう1つはパソコンに入れて使っています。

 これまで、複数の機器を使えるようにした契約はなかったわけではありません。例えば、UQコミュニケーションズでは、1つのWiMAX契約に対して、複数の機器を登録できます。WiMAX内蔵パソコンやモバイルルーターを使い分けることが可能です。しかし、この契約では、一度に通信できる機器は、どれか1つ。他の機器がネットワークに接続すると、前に接続してた機器は切断されてしまいます。