何と、ベストセラー本がたったの25セント!

 先週(2012年3月7日)、クラウドで書籍や音楽、映画を一括して提供するGoogle Playがスタートした。グーグルはオープン記念で毎日25セントの特別セールをやっている。本日の電子書籍セールは『マネーボール』。オークランドの冴えない野球チームが、データを駆使した結果最強チームとしてよみがえったという実話を元にしたマイケル・ルイスの小説。ブラッド・ピットが主演した映画を観た方も多いだろう。

グーグルが始めた「Google Play」
グーグルが始めた「Google Play」
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 この本がたったの25セントである。昨日は、やっぱり別のベストセラー本が25セントになっていた。グーグルはオープン後の1週間、書籍、CD、映画、アプリのそれぞれで、日替わりで25セントとか49セントという商品を売り出しているのである。1週間続けるとは、なかなかの良策だ。安物買いしたい人々が毎日ここへやってきて、1週間が終わる頃には、Google Playで買い物するのがつい癖になってしまうことも十分あるだろうからだ。

 安物買いの私としても、これは買っておこうと、さっそくAndroidスマートフォンを手に取った。Google Playのアプリはすでにダウンロード済みで、すぐに『マネーボール』が出てきた。意地悪にもちょっと日本のAmazon.co.jpを覗いてみたら、6年前に発売された邦訳は800円。電子書籍はまだない。いや~、25セントと言えば20円ほどなのだから、やっぱり安いわ。

 さあ買おうとしたところで、「ちょっと待てよ」と手が止まった。これまで買った電子書籍はすべてアマゾンの新しいタブレット、Kindle Fireに入っている。これからGoogle Playを使い出すと、蔵書があちこちに散らばってしまうではないか。

 いや、しかし、それも仕方あるまい。すでに音楽はiTunesに、書籍はKindleに、映画を観るのは別のものと、もうバラバラで、それに音楽はストリーミングのスポティファイも使っている。これからは、ひとつにまとめようとすること自体が、バカバカしい。それに、いろいろな使い勝手が試せるのは、仕事上よろしいのではないか。

 そう決心して、さあ、と思ったところで、ふたたび「ちょっと待てよ」。ひょっとしたら、アマゾンが対抗して激安にしているのではないだろうか。