遺跡の声
発行元:東京創元社
価格:578円(税込み)

 同じPC Onlineのコラムで、林伸夫さんが「SF画家加藤直之 時空間画抄」を紹介されていたのを読んで、頭の中ががぜんSF色に染まってしまった。
 もしもiPadを持って高校時代にタイムスリップできたらさぞかしSFを読みまくることだろうなあ、などと妄想し、2011年現在、どんな作品が販売されているのか調べてみた。意外にというか、予想通りというべきか、かつて読んだ名作SF小説はほとんど発売されていない。iPadはいかにもSF的なガジェットであるのに、SF小説が楽しめないのは残念だ。
 それでも根気よく探したら、日本が生んだ希代のハードSF作家、堀晃の短編集が一冊、長編が一冊、見つかった。
 販売していたのは、「honto」という電子書店だ。
 「honto」は電子書籍のストアである。前身は2001年から大日本印刷によって運営されている「ウェブの書斎」だ。現在の取り扱い点数は約3万点。
 2001年といえば、まだ電子書籍用端末という考え方もなく、パソコン用に細々と実験的な配信が行われていた時代だ。その頃主流だったフォーマットは国産のXMDFや.bookだった。
 XMDFはシャープのザウルスが採用していたフォーマットだから、歴史は古い(ちょっと残念な感じになっている「ガラパゴス」でも標準フォーマットとして採用している)。日本語の縦書き表示、禁則処理、ルビ、段組などに対応している。小説やビジネス書などシンプルなテキストを読みやすく整形するフォーマットとしては優れている。
 日本語表現にこだわるXMDFが世界に出ていく可能性はないし、日本の電子書籍市場に限っても標準フォーマットとなる可能性は小さいが、今後もリーダーアプリが提供され続けるなら、XMDF形式の電子書籍を購入すること自体にはなんの問題もないだろう。

まずApp Storeから「honto book」をダウンロードする(無料)。
まずApp Storeから「honto book」をダウンロードする(無料)。
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Safariで「<a href=honto」を開き、会員登録手続きを行う。">
Safariで「honto」を開き、会員登録手続きを行う。
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同様に、個別の書籍の購入も「honto」のWebページから行う。
同様に、個別の書籍の購入も「honto」のWebページから行う。
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「honto book」のライブラリ画面。一覧の中に購入した書籍が入っている。ダブルタップすると、リーダーが開く。
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