7月13日より、異なるキャリア間でのSMSのやり取りが可能になった。

 SMSとは「ショートメッセージサービス」の略で、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルでは「SMS」という名称だが、au(KDDI)では「Cメール」というサービス名で提供されている。送信できる文字数は、NTTドコモ、ソフトバンク、イー・モバイルが全角70文字まで、au(KDDI)は全角50文字までだ(一部機種は7月13日に実施されたアップデートで70文字まで送受信可能)。SMSは通話料と同じように送信側にだけ課金され、受信は無料。1通当たりの送信料は、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルは3.15円。イー・モバイルのみ1通2.1円だ。

 筆者もさっそく試してみたが、利用はものすごく簡単だ。例えば、NTTドコモのスマートフォンの場合は「メッセージ」というアプリで送信できる。宛先に電話番号を入力して、メッセージを入力して「送信」をタップするだけ。au(KDDI)は「メール」アプリから「Cメール」を選択して利用できる仕様。ソフトバンクモバイルのiPhoneでは、すでに多くの人が使っているであろう「SMS/MMS」アプリで利用できる。

 使い慣れたら、キャリア独自のケータイメールよりも使い勝手がいいかもしれない。スマートフォンの場合、機種にもよるが、メッセージのやり取りがチャットのように表示されるのも面白い。もっと早くキャリア間送受信が実現していればよかったのに……というのが率直な感想だ。

 SMSは、海外では、友人や知人との気軽な連絡手段として広く利用されていると聞く。しかし、日本での利用はさほど多くはなかった。普及を阻んだ要因として、同じキャリアの端末間でないと利用できないことも挙げられるが、iモードメールなどのキャリア独自のケータイメールが普及し、それで事足りていたということが大きい。ケータイメールは他キャリアのケータイはもちろんパソコン宛にも送れる。画像も添付できるし、パケット定額制に入っていれば通信料を気にする必要もない。

 となると、今回のキャリア間SMSの解禁は、さほどメリットはないように思えるかもしれない。しかし、筆者は、今後SMSの利便性を享受できる人は意外と多いのではないかと考えている。筆者が想定するキャリア間SMSの利用メリットを挙げておこう。