スマートフォンの普及で、インターネット革命が、新たなステージに入りつつある。いつでもどこでも誰とでも、安く速くネット接続できる世界は目前。動画、音声、地図、GPSなども組み合わせて、より自然な感覚で簡単につながれるようになる。

 革命的な変化は、IT分野の話だけではない。3.11(東日本大震災)以降、「マスメディア」から「ソーシャルメディア」へのシフトが起きている。風評やデマの問題こそあれ、識者のTwitterやFacebook、ブログを見比べる方が、偏りのない情報を素早く入手できると考える人が増えているのだ。

 まさにスマートフォン時代は「個人ブランド」時代の幕開けでもある。新時代の常識を7つにまとめてみた。

1.会う前にスマホで個人名検索

 誰かに会うときは、事前にスマホで個人名を検索──。これが新しいビジネスの常識になる。ビジネスパートナーの公私両面の情報を入手することの大切さは、皆が知っていることだろう。そこでスマホの出番。わざわざパソコンを広げて面倒なネット接続をしなくとも、スマホなら簡単にチェック可能だ。 TwitterやFacebookをあらかじめ見ておくことが常識になろう。

2.検索結果に表れる発信力

 個人名で検索したときに、豊富で多彩な検索結果が表示される人物は、「個人ブランド」そのものだ。逆にいうと、検索結果の上位にランクインするような情報をどれだけ発信できているかどうかが、ビジネス成功の鍵になる。

 ただし、「検索結果は1日にして成らず」。どれだけ豊かな情報を毎日、根気よく発信するかが勝負である。常に携帯してどこからでも発信できるスマホは、その秘密兵器となる。

3.会ったらフォローして友達に

 名刺交換をして名刺ホルダーで保存する儀式は、あと数年で形骸化するかもしれない。TwitterやFacebookをやっているかどうかを尋ねて、「その場でつながる」ことが新しいご縁の結び方になるからだ。

 ただし、単につながるだけでは物足りない。「この人の日常を知りたい」と思わせ、リストに入れてもらえることが大切。そうすれば、毎日会っているのと同じ間柄になろう。

4.現場を飛び回る行動力

 ソーシャルメディアを通じて、「この人はすごい」=「個人ブランドがある」と思わせる人物には共通点がある。行動力に富んでいて、いつも現場を飛び回っているのだ。その結果、ネット経由で、いつも新たな発見や感動を共有できる。しかも、自分の仕事や専門分野を深く掘り下げるだけではない。趣味に家族に、多種多彩な楽しみを持ち、毎日が実に楽しそうなのである。

5.役立ち情報のトス上げで人気者

 個人ブランドを持つネットワーカーには、役立つ情報が自然に集まってくる。それは、会社や仕事の付き合いを超えて、公私共々、友人や仲間が多いからである。人気の秘密は、情報を独占せずに仲間と分かち合う姿勢だ。慣れてくると、情報を目にした瞬間に「この人が喜びそう」と直感して、うまくトスが上げられるようになる。しかもスマホを使えば、いつでもトス上げできる。

6.見知らぬ友達同士の接着剤に

 スマホとソーシャルメディアをうまく活用すると、損得勘定や利害関係抜きの交友関係が広がる。スマホで友達の日々の情報を見ていると、ついついお節介をしたくなるのだ。「この人に紹介したら面白いことになりそう」と思ったら吉日。ビジネスではないので気負う必要はない。たかが思い付きのスマホメールだ。ダメでもともと。時にスゴい展開になれば楽しい。

7.会社より個人のメディア力

 例えばラジオ局の文化放送では、会社の公式Twitterより、「ソコダイジナトコ(ソコトコ)」という番組Twitterのフォロワー数の方が多い。さらに、パーソナリティーの吉田照美氏やコメンテーターの上杉隆氏の人気が圧倒的。3.11以降のソーシャルメディア時代では、「会社ブランド」よりも「個人ブランド」が問われるのである。