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記事の芽

「CPUが焼ける」のは昔の話、熱でCPUは壊れない

西村 岳史=日経WinPC 2011/05/30 日経WinPC

 パソコンを使っていて、熱いと感じたことはありませんか。

 量販店で売られている大手メーカー製パソコンだと、熱さの主な原因はCPU。自作パソコンだったら拡張スロットに取り付けるグラフィックスボードも熱源の一つになります。現在のCPUやグラフィックスチップは、さまざまな省電力機能を備えており、何も作業していなければあまり熱は出ません。省電力機能では、処理が増えてくると電圧を高めて動作周波数を引き上げ、アイドル状態になればそれぞれを下げて消費電力を抑えます。電圧と周波数の両方が高い状態、つまりCPUに高い負荷をかけている状態では発熱も増えてしまいます。

 あまりに温度が高くなると、熱でCPUが壊れてしまうのではないか。そう思う人がいるかもしれません。確かに数年前は、クーラー(ヒートシンクと呼ばれる金属フィンとファンから成る冷却装置)が正しく取り付けられていないと熱で損傷してしまうCPUも一部にありました。大手メーカー製の完成品PCでは問題になりませんでしたが、自分でパーツを取り付ける自作パソコンだと、クーラーの取り付けを間違えて「CPUが焼ける」のは、特別珍しいトラブルではありませんでした。

 現在のCPUは安全機構が備わっており、CPUメーカーは熱による損傷はまず無いとしています。例えばIntel製CPUの場合、クーラーの取り付け不備やファンの故障などで適切に冷却できずCPU温度が上がり続けると、自動的に基準動作周波数(ベースクロック)に対する動作倍率を低くして、動作周波数を下げます。併せて電圧も下げていきます。それでも温度が下がらないと、クロック信号の供給を断続的にしてCPUが間欠動作しているかのような「スロットリング」状態にします。

 スロットリングが起こっていても何とか冷却とバランスが取れていて温度が上がらないと、ユーザーはパソコンがとても遅くなったように感じます。CPUは、何とか熱を出さないように粘って動く状態になり、操作に対する応答速度が落ちて全体的に動作が緩慢になります。

 スロットリングをしても冷却が間に合わなければ、CPUは自動的に停止します。パソコン全体の終了(シャットダウン)のような安全な停止ではなく、突然再起動したり電源が切れたりします。当然、作業中のデータは失われてしまいます。この自動停止の温度は「CPU内部のトランジスターが熱で壊れる温度よりはずっと低い」(CPUメーカー)ので、CPUは壊れません。限界まで十分な余裕があるため、スロットリングが起こるぎりぎりという高い温度でCPUを使い続けてもCPU単体の寿命にはあまり影響がないそうです。

写真のように、CPUクーラーが正しく取り付けられていない状態だと、CPUの温度はどんどん上がる。仕様で定めてある限界値に達するとCPUは自動で動作周波数を下げる。それでも温度が上がり続けると、破損を防ぐためにCPUは停止する。
[画像のクリックで拡大表示]

 ただし、CPUが壊れなくても、CPUからの発熱があまりに多いとマザーボード(基板)や周辺のパーツに悪影響を与える恐れはあります。例えば自作パソコンなら、熱がこもった状態で使い続けるとマザーボード上のコンデンサーが破損して、パソコンが動かなくなったりします。安定して動かすには、やはり適切な冷却は不可欠です。

 日経WinPC 2011年7月号ではパソコンの冷却の話題を取り上げました。CPU用だけでなくグラフィックスボード用やハードディスク用のクーラー、水冷クーラーやPCケースで使うファンなど、冷却機器について効率の良い使い方を調べて紹介しています。これらは、自作パソコンユーザー向けの話題ですが、パソコンの熱と冷却に関する基礎知識は、全ユーザーに役に立つと思います。例えば、ユーティリティーソフトなどでCPUやハードディスクの温度として表示される「値」は、実は真の温度かどうか分からない、といったことを書いてあります。ぜひ書店で手に取ってご確認ください。

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