上海に行った。6回目の訪問である。

 福岡在住の私にとっては、1時間半程度のフライトなので距離的には東京へ行くのと同じだから手軽に行けるのだ。ただ一つ、いままでと違うことがあった。それが、今回のテーマだ。

 携帯電話が、今回はAndroidスマートフォン(NTTドコモの「GALAXY S」)だった。スマホを持っての海外旅行は初めての経験だ。

 週末の2泊3日だったので、その間くらいは携帯電話から解放されたい、と、最初は、携帯電話は使わないつもりで出国時から電源を切っていた。

 上海で友人たちと合流し、高層ビルが立ち並ぶ浦東地区へ。世界一高い展望台に登ったりした。上海ワールドフィナンシャルセンターである。ビルの高さは世界一を抜かれたのだが、展望室のある場所の地上からの高さとしては世界一を誇っている。

「すごいね、この景色、高すぎて下界がおもちゃみたいで実感がわかない」

 などと話し、そのビルを後にしようとしたとき。レストランやショップの立ち並ぶ一角にドコモショップがあった。しかも、ドコモダケの上海バージョンが付いた携帯ストラップなどが飾ってあった。

 「おお、こんなところにドコモが。なんでだろうね? 日本の通信会社なのに」

 何気なく歩きながら、みんなでしゃべっていた。

 この記憶にのちのち助けられることになるとは露知らず……である。