2011年3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の大規模被害を及ぼした。
 多くの企業や市民が、被災地に支援の手を差し伸べており、連日の報道で様々な支援策が発表されている。
 日本マイクロソフトも、被災地支援に積極的に乗り出している1社である。
 樋口泰行社長は、地震直後に対策本部を社内に設置するとともに、14日に予定されていた地方自治体との「ICTを活用した地域活性化協働プログラム」の調印式を延期することをすぐに決定、本社から社員、パートナー、顧客の安否確認に陣頭指揮を執るなど、迅速に対応していった。
 3月15日午後1時に予定していた「Internet Explorer 9日本語版」の製品版提供も延期。これも、「ネットワーク回線への負荷軽減や節電を考慮したもの」としている。

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 日本マイクロソフトが打ち出した被災地支援の基本的姿勢は、直接的に支援金を提供するよりも、ITを活用した支援を重視したことだった。
 正しい情報を的確に届けることと、それを維持するためのインフラ提供を軸に据え、サービスの無償提供や情報提供に力を注いだ。
 同社では、震災から約2週間にわたって、メールが被災地および関係者の重要な通信手段となっていることをとらえ、セキュリティ関係の通知を除き、販促目的の全てのニュースレター、プロモーショナルメールを自粛。一方で、直接的な支援活動に関する告知に関しては、日本マイクロソフトからの情報配信を希望していない人にも配信するという手段を取った。
 また、MSNでは、震災関連情報ポータルページを設置し、安否情報や震災関連情報を掲載。産経新聞フォトサービスなどを通じた被災地情報の提供のほか、Yahoo!やGoogleなどに掲載された有益情報にも積極的にリンクを張るなどの措置を取りながら情報を集約。14日からは、日本語に加えて、11言語に翻訳してニュース情報を提供できる仕組みを用意し、日本に在住する外国人への情報発信や、海外からのアクセスにも対応できるようにした。