数回、ホメオパシーに関する話題に脱線したが、話を電子書籍に戻すことにする。電子書籍には売り切れがなく、また過去の本もどんどん甦るであろうという話を書いたが、では図書館の役割はどう変わっていくのだろうか。

 図書館は、本を集めて整理し、いつでも閲覧できるようにした施設だ。その機能は、図書の、(1)収集、(2)整理、(3)保存、(4)サービス提供に分類される。このほか、地域の公共施設としての機能を持つこともある。図書整理の手法は図書館情報学という学問の一分野となっており、かつては図書館情報大学という専門の大学も存在した(現在は筑波大学に統合されて、筑波大学図書館情報専門学群となっている)。図書館の司書は、非常に専門性の高い職種なのだ。

 図書館には様々な種類が存在する。国会の調査研究機関である国会図書館は、日本で発行される書籍・雑誌をすべて収集・整理している。ある特定の分野に特化した図書館もある。大宅壮一文庫は日本で発行される雑誌を収集し、独自のインデックスを作成している。現代マンガ図書館は、マンガを収集している。

 運営主体も様々だ。国や地方自治体、個人、財団法人、社団法人などなど。おそらく一番身近なのは、市町村が運営する地域の公立図書館だろう。国会図書館を利用したことがないという人も、近所の公立図書館なら使ったことがあるはずだ。