この8月に新著「面倒くさがりで続かない人のための『やり抜く!』技術」(日本実業出版社)を上梓した。世間の大半を占める「逃げる凡人」にならず、少数精鋭の「やり抜く達人」になるための、すぐできるアドバイス集である。

 そこに挙げたQ&Aの中には、「いつの間にかブログやTwitterを放置」「出会った人にメールを出しそびれる」など、パソコンユーザーなら誰しも思い当たる項目もある。今回はさらに掘り下げ、Twitterで人生を楽しみながら「やり抜く」方法を考えてみた。

1.達人10人をフォローし「真似ぶ」

 新聞や雑誌、ネットの記事を読んで「スゴい人」を見つけたら、名前に「on Twitter」と付けてググってみよう。最近は、かなりの確率でTwitterでつぶやく達人が増えているからだ。

 検索してTwitterを見つけたら迷わずフォロー。すると達人の日常にシンクロして、感動やひらめきを共有できる。さまざまな達人をフォローしたら、師匠にしたい10人に絞ってリスト化しよう。その発想や行動を刻々と「真似ぶ(まねぶ=学ぶ)」のだ。

2.思い切って達人に返信し弟子入り

 達人のつぶやきやブログに心が動いたら、返信やコメントボタンを押してお礼と感想を短い言葉で伝えよう。自分のメッセージに対し、心ある返信が届いてうれしくない人はいないはずだ。

 さらに、Twitterで「新著が出た」と知ったら真っ先に読み、「講演会」があれば最前列で聴講して、その感想を誰よりも先に熱くつぶやこう。これこそネット時代の新しい師弟関係だ。

3.イベントをツイッてつながる

 コンサート、スポーツ、お芝居、展覧会……あらゆるイベントの現場での感動は「やり抜く力」の源泉だ。やる気や元気が目減りしたら、達人が織りなす「お祭り気分」を味わうに限る。

 さらに興奮さめやらぬうちにつぶやけば、感動パワーは持続して広がる。共通の趣味に気付いた同僚や、同じイベントに居合わせた見知らぬ人から返信が届いて、仲間になれるのだ。

4.景色を定点観測して仲間づくり

 私のTwitterは、会社から見える東京スカイツリーの工事風景無くして考えられない。定点観測写真に期待するフォロワーに思いを巡らしてケータイを握れば、1日5分の至福の時となる。

 また、毎日「雲の写真」をつぶやくことで「雲仲間」が増えてうれしい。先日、怖い顔に見える雲を発信したら、尊敬する公文俊平先生から「確かに怖い」とリツイートが届いて仰天した。

5.オタクな趣味を公開告白

 オタクな心を持っている大人はアキバ系だけではない。ずっと大切にしてきたが、ちょっと風変わりで人に話しづらい趣味を抱える人は多かろう。

 長寿テレビ番組「タモリ倶楽部」に出る大人が、みんな元気で楽しそうに見えるのは、オタクな趣味を開けっぴろげに表現しているからだ。試しに自分の「隠れ趣味」をつぶやいてみるといい。きっと生涯の友ができるはずだ。

6.隠れた名店の発信で街おこし

 最近、街おこしに参加したいとメールをくださる人が増えてきてうれしい。そんなときは、大きな団体やイベントに参加しなくても、個人ですぐ始められて長続きする方法をお勧めしている。

 それは、自分の住む街、働く街の知られざる名店や、お気に入りの商品、サービスについてつぶやくことだ。商売繁盛につながればお店にも喜ばれ、きっと地元キーパーソンの目に留まる。

7.つぶやき集は「私の履歴書」

 ブログが続かない人には、Twitterが個人ブログ構築の大チャンスとなる。

 Twilogのように、つぶやきが自動的にブログ形式に変換される便利ツールもあるので、上手に活用すればよい。意識して書くブログ記事よりも、その瞬間の出来事や思いを率直につぶやく方がリアルな「私の履歴書」になる。

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 かつて「ググってウィキして、会いに行け」と勧めた。しかし、やり抜くためには「会ったらツイッて、動きだせ」という反射神経が大切である。