観測史上始まって以来と言われていた暑さもすっかりどこかへ行ってしまいましたが、初秋の越後湯沢だけは、今年も熱い季節がやって来ます。昨年もこのコラムで紹介し、また上原哲太郎先生が前回のコラムでも紹介している『情報セキュリティワークショップin越後湯沢 ~逃げちゃダメだ!~ IT社会のBCP・BCM。なう!』が10月7日木曜日から3日間開催されます。

 11回目となる今年は、ワークショップも大幅なアップデートを行うつもりで、名称も「情報セキュリティワークショップin越後湯沢」とリネームして新たに開催いたします。

 思えば、このワークショップに私が直接かかわるようになったのは2001年のことでした。開催を決めて準備に奔走し始めたときに、ちょうどあの9.11のテロが起きたことを昨日のことのように覚えています。事件前、まだ「セキュリティ」という言葉に対する関心が非常に薄かったのが、事件の後、一夜にして皆が話に耳を傾けてくれるようになり、正直、非常に複雑な思いを感じたものです。

 その後、ITやネットワークの普及とともに「情報セキュリティとは何か?」「なぜ情報セキュリティが必要か?」などということが叫ばれるようになり、以降、多くの研究会やコンベンションが行われるようになりました。当初、湯沢ワークショップを始めるとき、「セキュリティなんて5~6年もやればすたれる」という声が多くありました。そして、関係者一同、実際にそうなること、つまりセキュリティなんて不要になることを心のどこかで望んでいたのも事実です。しかしながら、その儚い希望は見事に崩れさり、今日のような状況であることは改めて言う必要もないでしょう。