グーグルが、「ビジュアルサーチ」技術を用いたショッピングサイトのLike.comを買収した。
Like.comは、一見したところ普通の買い物サイトのように見える。だが、似たようなもの(ライク)を画像で直接的に探すことによって、欲しいものをどんどん突き詰めていけるような仕組みになっているのだ。
例えば、Like.comのトップページから婦人服、ドレスと選んでいくとしよう。そこには、いろいろな色とかたちのドレスが表示されている。すべてインターネットのショッピングサイトから選び出されたもので、値段とサイトの名前が一緒に記されて一覧できるようになっている。
普通ならば、この何百とあるドレスを順々に見ていって気に入ったものを見つけるしかないのだが、Like.comでは、ところどころに「ビジュアルサーチ」と記されたアイテムがある。これをクリックすると、今度はそのドレスに似たものだけがズラリと表示される。
似たものというのは、例えばウェストで切り替えがある、膝丈のドレスで、細かなプリント柄といったものだ。つまり、シルエットやパターンが類似するものをビジュアルサーチ(類似形状検索)して、同じようなドレスだけれども「こんなにバリエーションがあります」と見せてくれるというわけだ。「これはけっこういいけれど、ほかにもあるのかなあ」といったような場合に、もう十分というほどにセレクションを出してきてくれるのだ。
そのビジュアルサーチのほかにも、赤いバッグとか、緑のドレスでポリエステル素材といったように検索条件をつけていって、それに合致するものを探し出してくれたりもする。ちょっと気に入った点があると、それを突き詰めていってもっと好きなものを見つけられるのだ。通常のショッピングサイトは、広い店内にひとりポツリと放り出されたような気がするものだが、Like.comにはちょっとは気の利いた店員がいて、探し物を手伝ってくれるような感じだ。
多分、このLike.comの技術はただショッピングに利用できるだけでなく、コンピュータービジョンとビジュアルサーチ技術の組み合わせによって、さまざまな領域に使えるのだろう。AR(Augmented Reality、「拡張現実」)技術を使ったもので、目の前の山にピントを合わせると、その山の解説が呼び出されるといった旅行ガイドの試作品を見たことがある。おそらくグーグルも同じような幅広い用途に応用できると考えているのだろう。自分のそっくりさんの写真を呼び出すなどは、すでにお手のものだろう。グーグルはやはり買収で得た技術を統合して、Google Goggleというビジュアルサーチ技術を用いた検索を利用可能にしている。こちらは、スマートフォンで書籍の表紙などを写真に撮ると、その情報や購買サイトにつながるといったものだ。
グーグルの買収はともかくとしても、ショッピングについてはいろいろエゲツナイ感じの技術がたくさんある。
日本でも使われているようなのでご存じの人もいるかもしれないが、そのうちのひとつは、店内の製品に付いているバーコードの写真を撮ると、同製品がほかのショッピングサイトでどんな値段で売られているかが、すぐさま比較できるショップサヴィーというもの。店で気に入ったものを見つけても、実際に購入するのはほかで、となるわけだ。路面店としては、どこよりも安い値段で売らなければ場所代も払えないようなことになってしまう。写真でなくて、バーコードリーダーというアプリをダウンロードするというものもある。この場合は、シャッターも切らずに、カメラでピントを合わせるだけだ。
比較ショッピングサイトなど、今や物品だけでなくホテルの宿泊代や航空券でも当たり前に使われている。消費者はものすごい情報武装をしているわけで、こんな世の中でものを売るのは本当に簡単なことではないだろう。
アマゾンが世に出てきたとき、本屋さんで見つけた本をアマゾンで注文するのに若干の抵抗を感じたものだった。「本屋さんに悪い」とか「はしたないことなのではないのか」という感情がちょっとわき起こったからだ。だが、もうそんなことにはすっかり平気になってしまったのではないだろうか。知らないうちに、インターネットショッピングのあれこれの技術のおかげで、われわれはもうこれまでとは違った消費者になっているのだ。











