先週、セキュリティ&プログラミングキャンプに行っていて13歳の素晴らしいプログラミング能力のある少年を見ていると、何歳からプログラムは覚えられるのだろうか? と考えてしまいました。

 実は、最近知り合いに「小学生の息子にiPhoneのアプリを作らせたいんだけど無理でしょうか?」と聞かれて、私は即座に「それは無理ですね。大人でも難しいのですから」と答えてしまいました。オブジェクト指向言語は素晴らしい言語ですが、その概念を理解して、横文字だらけのプログラミングなんて到底無理だろうと思ったからです。

 でもキャンプでの子供たちはロクに英語も分からないはずなのに、Linuxのコマンドの英語のヘルプを普通に読んでいましたし、プログラミング言語を複数習得していました。

 このような話題をTwitterでつぶやいたところ、その方は、小学校5年生くらいからBASICやマシン語をやっていたという話を頂きました。ちなみに、私の知り合いの米国人のハッカーは、8才のクリスマスに親からMacを買ってもらったのが始まりで、すぐにCでプログラムを書き始めていたと話していました。小さいころに親がパソコンを買い与えるというのはアメリカでは珍しいことではないそうです。でも、買っただけでなく、友達や親が手助けしないと途中で挫折したり、興味を失ったりするかもしれません。

 この話をある方としていたら、「町の将棋クラブのようなものがあるといいね」ということを聞きました。つまり、いつでもそこに行けば大人も子供もいて、対戦できたり教えてもらったりできる場所があるから、興味のある子、素質のある子はどんどん伸びるのだと。確かに、プログラミングは楽しいものですが、途中で分からなくなってしまって、そこから抜けられないといやになってしまいます。もし、町にパソコンクラブのようなものがあっていつでも勉強できるなら、どんどん伸びることでしょう。

 町の将棋クラブのようなものについてTwitterでつぶやいていたら、別の方から、そのような取り組みはすでに行われ始めているということを聞きました。それで調べてみたところ、日本的で残念だなと思うのはパソコン教室のような形態が多いところです。ちょっとしたプログラムなら中国やインドなどで安価に開発できてしまいますから、今、日本には、天才級のプログラマー、言い換えれば世界で通用するプログラマーが必要です。そうした天才は、教えられて育つものではないと私は考えています。手助けは必要ですが、それ以上は成長を阻害してしまいます。プロのスポーツ選手でも将棋の名人でも、小さいころから負けず嫌いで自力で努力していたり、本人が夢中になっていたりするものです。

 北海道では冬になると校庭にリンクができてみんな小さなころからスケートをやっていて、オリンピック選手もそのような環境で育っているという話を聞いたことがあります。同じように「プログラマー村」があってもいいかな、と思います。

 都会はモノも情報も溢れていますが、集中しにくい環境でもあります。どこかの村でプログラムに集中できたら、そしてそこで優秀なプログラマーのお兄さんやお姉さんがいて、村としてITで村興しに取り組んだりしていれば、理想的な環境かもしれません。

 種子島でICTを産業として活性化するような取り組みをが行われているということがTwitterで紹介されました。西表パソコンクラブというものも始まるようです。将来、このようなところから天才ハッカー少年が生まれてくるかもしれません。