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松浦晋也「人と技術と情報の界面を探る」

ホメオパシーと自然なお産の奇妙な関係

松浦 晋也=ノンフィクション作家 2010/08/16 PC Online

 今回は電子書籍と図書館の関係を書く予定だったが、以前に新型インフルエンザに関係して解説したホメオパシーの問題が急速にクローズアップされてきたので、話題を変更することにする。

 事の発端は、1つの裁判だった。乳幼児を亡くした母親が、助産師を訴えたのである。

 昨年10月、1人の乳幼児が脳内出血で死亡した。新生児は血液凝固を助けるビタミンK2を体内で十分に生成できない。そのままでは、新生児2000~4000人に1人の割合で頭蓋内出血などが原因で死亡する可能性がある。そこで厚生労働省は、新生児には生後1カ月以内にビタミンK2シロップを3回服用させることとする指針を出している。

 乳幼児は病院ではなく助産院で生まれた。そこの助産師が、ホメオパシーの実践者だったのである。助産師はビタミンK2シロップの代わりに、ホメオパシーのレメディ(独自の薬剤)を投与し、母親には「同等の効果がある」と説明したのだという。母親は、助産師を相手取り、山口地方裁判所に損害倍総請求の訴えを起こした。

 ホメオパシーのレメディとは、様々な物質をその物質の分子が1つも残らないほど希釈して、糖に染み込ませたたものだ。そのようなものが、ビタミンK2の薬効を示すはずもなく、結果として乳幼児死亡事故が起きてしまったのである。

 この問題は、読売新聞と朝日新聞が積極的に報道を続けている。それら報道によれば、助産院の現場にはすでにかなりの割合でホメオパシーが浸透しているという。

 信じてはいけないホメオパシーで解説したように、ホメオパシーはプラシーボ(偽薬)でしかない。洗練された手法を持つものの、それは西洋における「イワシの頭も信心」というべきものであって、イワシの頭を拝む以上の薬効はない。

 ここでは、「西洋イワシの頭も信心」であるホメオパシーが、なぜ助産院で広く受け入れられたかということを問題にしたい。

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