お年寄りのために文庫本の文字を読みやすくするサービスがあります。それは、文字の大きさを大きめに、行間を広めに、そして、黒地に白い文字にするものだそうです。アマゾンのKindle、アップルのiPadが登場したことで、電子書籍がブームになりつつあります。こうした読書端末を持っていないとしても、電子化されたテキストをパソコンで読む機会は日常的にあります。そこで、今回は、長い文章をパソコンで読みやすくするための読書ツールを自作してみたいと思います。

目に優しいパソコン読書とは?

 お年寄りの方でなくても、パソコンで文章を長時間読んでいると、目が疲れ肩も凝るものです。調べてみると、学校の黒板のように背景色が緑で文字色が白だと疲れないとか、交通標識のように青地に白文字が一番とか、工事現場にあるような黄色地に黒色が見やすくて良いなどさまざまな意見があるようです。また、グレーの背景に紺の文字など、明るすぎたり暗すぎたりしないのが良いという方もいるようです。そして、基本は、文字を大きめにして行間を広めに設定することです。加えて、ソフトウエアの設定(画面の配色や文字サイズの設定)だけでなく、肝心のディスプレイで輝度や明度を暗めに設定することも目に優しいと言えるでしょう。

 個人的に長文を読むときに感じるのは、上下のスクロールも目を疲れさせる原因ではないかということです。ページめくりのために適当な位置にページをスクロールさせるのに気を遣わなくてはなりません。そこで、マウスなどでページをスクロールさせることなく左右カーソルキーを使って、ページを切り替えるような読書ツールを作ります。

プログラム~目に優しい読書ツール

 次ページのプログラムをコピーして、なでしこエディタに貼り付けてください。そして、実行ボタンを押すと、プログラムが実行されます。サンプルとして、青空文庫にある『注文の多い料理店』(宮沢賢治)を表示します。カーソルキーの左右を押すことでページをめくることができます。

プログラムを実行したところ。次ページへ行くのには、右矢印カーソルキー(→)を押します
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