Fred Pohlが自分の自叙伝である「The Way the Future Was」の中で、1940年のニューヨークでの一夜の話を書いている。パリはドイツ国防軍の手に落ち、ドイツの兵士は勝利に湧きかえりながらシャンゼリゼを行進した。Fredのインテリの友人たち(エージェントやエディター)の1人が、「資本家階級に対する労働者の勝利」に乾杯しようと提案した。これは、ヒットラーとスターリン連合の時代のことだ。

 今月の本の1冊目は、Thomas Sowell著、「Intellectuals and Society」だ。この本はなぜこのような事が起こったのか、そして「著名な教授、才能のある詩人、有力なジャーナリストが、自分たちの才能の限りを尽くして、耳を傾ける人すべてに、現代の専制者は解放者であり、大局的に見れば、彼らの途方もない犯罪は高貴なものだったと確信させた」ことを解き明かそうとしている。

 私は常々Thomas Sowellは国宝だと思っている。Sowellはこう述べている。「この本は知識人に関する本だが、知識人のために書かれた本ではない。この本の目的は、重要な社会現象を理解できるようにして、得られた理解を、それを分かち合いたいと望む人々と共有することである」。もちろん、Sowellを読む場合、知識人であることは害にはならない。しかしそれは必要条件ではない。彼は明確な筆致で描き、その主題には興味をそそられる。なぜ、これほど多くの賢い人々が、これほど恐ろしい理念や行動を支持したのだろうか?これは単なる歴史でもない。知的愚行の最近の多くの例がある。重要な主題を論じるあらゆる本がそうであるように、これは軽い読み物ではない。しかし、Sowellの本はたいへん良いので、読みづらくはない。推薦する。