前回に続き、ATOK 2010のレビューを続ける。

実は画期的? 方言対応と文語対応

 「方言」に対応しているのも、ATOKならではだ。一時期、バージョンアップのたびに新しい方言が追加されて、「次はどこの方言だ?」と話題になったものだ。現在は、以下の6つに対応している。

・話し言葉関西
・話し言葉北海道
・話し言葉関東
・話し言葉中部北陸
・話し言葉中国四国
・話し言葉九州

 ただ、筆者はほとんど利用しない。四国の片田舎の生まれで、小学校時代は間違いなく方言をしゃべっていた記憶はあるのだが、田舎を離れて30年近くたったいま、残念なことに忘れてしまった。方言の専門家でもないし、方言で原稿を書くこともないので評価しづらいのだが、こうした機能に、ある日突然スポットライトが当たることも、なくはないと思っている。

 また、文語に対応しているのは、古文を扱う専門家や教育関係者にはありがたいだろう。関係ない人はほとんど使うことがないが、必要な人には不可欠な機能がたくさんあるのも、ATOKが長く使われている理由の一つだろう。

ATOKパレットの「表現モード」ボタンで方言を切り替える。一般的な文章を入力するときは、「一般」を選択しておく
ATOKパレットの「表現モード」ボタンで方言を切り替える。一般的な文章を入力するときは、「一般」を選択しておく
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「そげなこと言っちょったら罰当たるが」 子どもの頃を思い出して(たぶん)四国の方言を変換してみた。一般モードで変換すると「そげ名こと一著ったら罰当たるが」
「そげなこと言っちょったら罰当たるが」 子どもの頃を思い出して(たぶん)四国の方言を変換してみた。一般モードで変換すると「そげ名こと一著ったら罰当たるが」
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文語にも対応。プロパティで動作を設定できる。必要なユーザーには不可欠な機能だろう
文語にも対応。プロパティで動作を設定できる。必要なユーザーには不可欠な機能だろう
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