まもなく4月。入学式などフォーマルな機会にぴったりな着物。特別な時に着る着物だからこそ、履くものにもこだわりたい。しかし、「気にいったデザインがなかなか見つからない」「自分の足に合ったサイズがない」という悩みを持つ人も少なくないのではないだろうか。「ゆめ工房」は、2003年からインターネットを通じてさまざま「草履」や「下駄」を提供し続けている。中でも自分だけの草履をオリジナルで作ることができる「オーダー草履」に人気が集まっている。

 「日本の伝統を大切に残したい」。7年前、かつて着物のリサイクル業などに携わっていた同サイトの代表・半田智久さんがスタートさせたのが「ゆめ工房」だ。同社の草履は、日本でも数少なくなったという熟練した草履職人の手で、すべて一つひとつを手作業で作り上げる。

 最大の特徴は「鼻緒」。生地に「綿」を敷き詰め、筒状にして1本の鼻緒が作られる。綿の詰め具合次第で“履き心地”が決まると言われる鼻緒だが、それらの作業はすべて職人の勘だ。同社の鼻緒は、仕上がりの美しさだけでなく、履きやすさも追求。「疲れにくく、足指の間が痛くなりにくい」と顧客から評判を博している。

布だけでなく、バッグなどの皮製品を草履にリメイクできる。これは「あざらし」の毛皮を加工した草履。これだけの加工技術を持った草履職人は、日本でも数少ない。
布だけでなく、バッグなどの皮製品を草履にリメイクできる。これは「あざらし」の毛皮を加工した草履。これだけの加工技術を持った草履職人は、日本でも数少ない。

子ども用着物から作られたもの。子どもの成長の記念にもなりそうだ。
子ども用着物から作られたもの。子どもの成長の記念にもなりそうだ。