いよいよ今年にもGDP(国内総生産)世界2位の座を日本から奪取しそうな中国。存在感が高まる同国の市場にアプローチすべく、とりあえず中国向けサイトを作りたい、という業者が増えているのだろう、筆者の元にも最近いくつもの企業から中国語のWebサイトを作りたいという相談が来るようになった。

 一方で、中国在住の中国人たちも、日本を巨大市場や豊富な先進技術が蓄積している地として非常に関心を持ち、日本語によるWebサイトを数多く開いている。また、観光地では、親日派の中国人観光業者が日本人観光客を呼び込もうと日本語のWebページを試行錯誤しながら作っている。やはり中国在住の筆者の元に、日本人向けのWebサイトを作るアドバイスが欲しいと連絡が来る。

 日中友好の架け橋となろうサイトが増える中、中国で受けるサイトを作るためのアドバイスをこの記事でしようと思う。

 まず最初に、中国人は多機能が好きだ。古くはファミコンの海賊版カセットから海賊版DVDや海賊版CDにしても、数十、数百タイトルを詰め込んだソフトウエアパックは受けがいい。ハードウエアにしても、音楽が聴けて、動画も見られて、ストレージにもなるガジェットが人気だ。デジカメを例に取ると、日中同じモデルの製品であっても、日本では基本スペックを強調するのに対し、中国ではどれだけ多機能かをアピールするシールを貼り付ける、といった具合だ。

 中国の3大老舗ポータルサイトの「新浪(Sina)」「捜狐(SOHU)」「網易(NetEase)」のサイトを見てみると、初見の日本人には受け入れられないほど、電話帳のように文字情報とバナー広告が画面全体を埋め尽くし、Flash広告が飛び回る。こうしたデザインは老舗ポータルサイトだけのものではない。新鋭の人気ポータルサイトの「QQ」もそうだし、有名無名のポータルサイトもまたみな同じようにごちゃごちゃしたデザインである。

総合ポータルサイトはもとより、IT系ポータルサイトもまた、ごちゃごちゃしている。
総合ポータルサイトはもとより、IT系ポータルサイトもまた、ごちゃごちゃしている。
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