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瀧口範子「シリコンバレー通信」

ハイチ震災で再び示された「災害時のツール」SNSの実力

瀧口 範子=ジャーナリスト 2010/01/21 PC Online

 ハイチ震災の救援に、ソーシャルネットワーク(SNS)が本格的に活躍している。

 ハイチ震災の犠牲者数は、すでにわかっているところで7万5000人以上。神戸大震災の死者が6434人だったが、ハイチのスケールはそれを超えるもので、痛ましさは想像を絶している。

 SNSが「災害時のツール」として使い始められた最初は、2007年にバージニア工科大学のキャンパスで学生による銃襲撃が起こった時という。最近では、イラン総選挙の際に現地の生の情報を伝え、体制反対の運動を高めるために用いられるなど、社会事件、人災、自然災害など、SNSの使われ方はその状況と目的によってさまざまに発展してきた。

 ハイチ震災では、何と言っても救済募金でSNSが活躍している。

 たとえば、アメリカ赤十字は、震災直後から携帯電話のテキスト・メッセージによる募金活動を開始した。地震が起こったのは1月12日だが、その5日後にはあっと言う間に2000万ドル(約18億円)が集まったという。現在もテキスト・メッセージによる募金は、もちろん継続中だ。

 ここで威力を発揮したのは、携帯電話のユーザーと通信キャリア、救済活動を行う赤十字のような組織を結ぶモバイル専門の募金促進アプリケーションである。アメリカ赤十字の場合は、モバイル・アコードという企業が開発したmGiveという仕組みを使っている。

 手順は実に簡単だ。ユーザーは自分の携帯電話で「90999」番号宛に「HAITI」とメッセージを送るだけ。ユーザーの携帯通信料の来月分の請求書に、これで10ドルが加算される。その10ドルが、ハイチ震災救済援助金としてアメリカ赤十字に届けられたということだ。

 何と言っても、ほんの数秒で募金ができ、しかも少額でも可能という使いやすさが、モバイル募金を盛り上げている理由だろう。こうしたモバイル募金のアプリケーションと組織のネットワークを開発している会社は何社かあるようだが、モバイル・アコード社の場合は、赤十字や国連財団、世界食糧プログラムなどの非営利組織(NPO)用以外にも、政治活動のキャンペーン用、企業のマーケティング用ツールなど、種々のアプリケーションを開発しているようで興味深い。

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