もう12年も前のことになる。日本のExcelユーザーを狂喜させた画期的な出来事があった。97年発売のExcel 97に、漢字のふりがな機能が搭載されたのだ。

 「マイクロソフトにとって、ふりがなを振ることくらい朝飯前だろう」と思うかもしれないが、それは同社の開発体制を知らない人が言うことだ。Excelは、日本ではなくマイクロソフト本社で開発される。基本はあくまで万国共通ソフト。各国のリクエストにいちいち応じていたらキリがないし、実際それは不可能である。にもかかわらず、日本側のリクエストによって、ふりなが機能が追加されたのだ。それを望む声がいかに強かったか容易に想像できる。

 この新機能により、ユーザーは人名を正しく五十音順に並べ替えられるようになった。おかげで、名簿の作成がどれだけ楽になったことだろう。ふりがなが画期的な機能と言われるゆえんである。

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