お正月は、そんなにたいして和風な装いをするわけではないけれど、年賀挨拶に一筆書き添えたり、お年玉をあげるポチ袋には、和紙のものを使いたいと思っている。
なぜなら、子供の頃、祖母からもらったお年玉袋が特別な印象だったから。地味な絵柄の昔ながらのポチ袋は、キャラクターが印刷された両親からもらったお年玉袋とちがって、あたたかな心遣いまで手渡されたような気がしていたのだ。この年齢になってその違いがやっとわかった。空気の冷たいこの時期、柔らかな手触りの和紙は、手渡された時にもほのかにあたたかく、優しい気配に満ちているのだ。
そこで今年も来年のための準備として、美濃和紙のポチ袋や一筆箋を購入した。販売する古川紙工(岐阜県美濃市)は、天保6年創業という老舗。現在は、素材感を生かした紙製品の企画開発や和紙を利用した雑貨、書道用和紙工芸品、オリジナルデザインの便箋や封筒からOA用の和紙製品まで、多数の商品を製造販売している。直営店「紙遊」でネット通販も行なっていて、最近は画像のように、さまざまなデザインのものが販売されている。