Google Gearsの開発が停止される。

 2009年11月30日(米国時間)、ロサンゼルスタイムスの報道でWeb界に激震が走った。クラウドの中心となるWebアプリケーションのオフラインサービスはどうなってしまうのか。結論から言えば、Google Gears開発は停止されるもののサポートは継続される。代わりに利便性の点でGoogle Gearsを上回るHTML5の機能に統合されることになる。

 驚きが収まればGoogle Gears開発停止は必然の流れだったとわかる。それには、そもそもなぜGoogle Gearsが必要だったのかという点から振り返ってみよう。Google Gearsは、メールサービスのGmail、ワープロや表計算ソフトサービスのGoogleドキュメントなどWebアプリケーションをオフラインでも利用するための仕組みだ。

 Webアプリケーションは、インターネットに接続できる環境でブラウザーがあれば利用できる。パッケージのソフトを購入しパソコンにインストールする必要はない。サービスを提供するアプリケーションはGoogleセンターのコンピューター内にあるが、利用者からすればインターネットという雲(クラウド)につながっていればサービスが提供されるように見える。だから、クラウドサービスと呼ばれる。欠点は当然、インターネットにつながっていないときには利用できないということだ。受信しておいたメールも読むこともできないし、アプリケーションも利用できない。

図01 クラウドでは、各種アプリケーションはインターネットを通してブラウザーで利用する
図01 クラウドでは、各種アプリケーションはインターネットを通してブラウザーで利用する