前回、大切なファイルを暗号化してメールに添付する方法を紹介しましたが、今回は、メールではなくオンラインストレージのDropboxやネットワーク内のハードディスクに定期的にバックアップする方法を紹介します。

定期的なバックアップは自動実行が確実

 先日、同僚が「しまった、間違えた」と大声をあげていました。ふだん寡黙な彼が珍しいこともあるものだと、近づいて話を聞いてみたところ、大切なデータが入ったフォルダを全部削除してしまったそうです。操作ミスで大切なデータを消してしまったときの悔しさは言葉にできないものですね。個人的な趣味のファイルならまだしも、それが業務データであるなら会社にとっても大損害です。同僚は、幸いにも、毎日バックアップを取っていたので、1日前のところからやり直すことができたようです。日頃のバックアップの大切さを思い出させる事件でした。

 皆さんは、どのようにデータのバックアップを取っているでしょうか。ここ最近、様々なオンラインストレージのサービスが登場するなど、以前よりも手軽にデータのバックアップが取れるようになっています。例えば、Dropboxというサービスを利用すると、バックアップを取りたいフォルダを指定するだけで自動的にバックアップを取ることができます。(そして、グループでファイルを共有することもできるようになっています。)

 また、外部のサービスを利用しなくても、ローカルネットワークで使える、ネットワーク対応ハードディスク(HDD)も安価になっていますし、無線LANルータにハードディスクを直接つないで使うことができる製品も発売されています。以前は、バックアップのたびに、手動でデータをCDに焼いたり、外付けハードディスクを繋げてから、バックアップを実行したりする必要がありましたが、これらネットワーク越しにデータをバックアップするならば、人手をかけず空き時間を利用して(例えば、一日の終わりに)自動的にバックアップを行うことができるでしょう。

 さらに、手動でバックアップを取ることの最大の欠点ですが、忙しかったりすると作業を忘れがちになってしまうことがあります。週末にバックアップしようと決めていても、忙しかったりすると先週とったから来週でもいいや、となってしまうものです。ですから、そうした意味でも、自動で定期的にバックアップを取るようにしていれば、被害を最小限に抑えることができるでしょう。

 そして、自動バックアップを行うためには、簡単なプログラムを組むのが一番手っ取り早いのです。というのも、バックアップのためのプログラムというのは、非常に単純だからです。ほんの数行を記述するだけで事足りますし、痒いところに手が届くというメリットがあります。大仰なバックアップツールを使うよりも、管理を単純にすることもできるでしょう。