今の高校生以下の子どもたちは、生まれたときからインターネットも含むIT環境が整っている「デジタルネイティブ」世代です。ある程度成長してからそれらが登場した30代半ば以上の世代は、彼らの年齢のころにインターネットも携帯電話も存在しなかったのですから、使ったことも教わったこともないのは当然のこと(第1回『世代感ギャップを素直に受け入れる』参照)。

 自分が教わった経験さえあれば後人に何とか教えられても、教わった経験のないことを教えなければいけないとなると、いささかの問題が生じて不思議はありません。一般的には、ある程度人生経験を積み理論でものごとを理解できる年齢になってから学んだことを、そのまま伝えようとしてしまう人が多いのではないでしょうか。逆に、どう教えていいのか分からないので、過干渉になったり、放りっぱなしになったり、取り上げたり、とにかく「きちんとステップを追って教えることを避ける」言動に出てしまう人も少なくありません。

 デジタルツールを“感覚的に”使いこなせる、なかった時代を知らない子どもたちに学ばせるには、理論や知識を伝えるよりも「みんなで話し合って考えさせること」が一番の近道。そこで、ふと「話し合いのためのネタ」をご提供してみてはどうかと考えました。今週と来週、2回にわけて、旬な“ネタ”をご紹介してみます。今回は、学校の授業でできる以下の2つです。もちろん、ご家庭で考える題材に使っていただいてもOKです。

(1)音楽の違法ダウンロードについて考えてみよう
対象:中学生・高校生
概要:10月1日に始まった「守ろう大切な音楽を♪」キャンペーンを活用し、標語やポスターなどをつくりながら話し合う。

(2)ケータイが使えない日常生活を考えてみよう
対象:小学生~高校生
概要:鳩山総理が宣言した「温室効果ガス25%削減」やエネルギー資源などの環境問題をきっかけに「もしケータイがなかったら?」をシミュレーションする。