夏休み企画第一弾として、前回は『中高校生とプロフの危険な実態』をお届けしました。「プロフ」(プロフィールサイト)を中心に展開する子どもたちのネットワークコミュニケーションの世界観をご紹介しながら、どんな作り方をしているのか、何がトラブルを引き起こす要因になっているのか、そして、たとえ自分が作っていなくても、たとえ自分はプライベート情報を全く載せずに作っていても、プロフの友達の輪をたどることで簡単に露呈するのだということを“みんなで”学ぶ ことの必要性をお話ししました。

 今回は、自分の手で作り、更新し、楽しいコミュニケーションの場として活用してきた「プロフ」「ブログ」「リアル」などを削除する必要が生じたときに“必ず”やっていただきたいステップと、何故その作業が必要なのかを詳しく解説していきます。

 これを読んでいただければ、たとえ自分の子どもや生徒のプロフを発見しても、「今すぐに消しなさいっ!!」と怒ってその場で強制的に削除させるのだけはやめようと、大人なら誰でも感じてくださると思います。

「キャッシュに○○○」---だから、慌てて削除しちゃダメ!

  • 高校を卒業したら就職、就活で面接に行くからやんちゃなプロフは消さないと
  • 好きな人ができたので、元カレとのことが書いてあるリアルを抹消しなきゃ
  • 最近なぜか荒らされているブログ、もうイヤだから閉じちゃおう

 保護者や先生に注意されなくても、自分が作ったサイトを消したくなるようなこと多々生じます。手軽に作れるものであっても、気軽に消してもいいと考えているわけではありません。でも、私たち大人にも身に覚えがたくさんあるように(苦笑)、小さなトラブルや気持ちの変化など、思春期の子どもたちの成長過程では「愛着があるけれどやっぱり消したい」と思うようなことが少なからず起きるのです。

 作った本人が削除をするのはカンタンです。だから、「まずい!」と思った瞬間に子どもたちは削除のために手を動かし始めます。そして、すぐに削除が完了。ホッとしたのもつかの間、親友からこんな電話が。

「やばいよー、消えてるけどキャッシュをクリックしたら写真も見れるし中身も読める!」

 サイトをクローズした後に残る、在りし日の姿「キャッシュ」は、とても厄介です。サイトそのものは既に削除されているわけですから、検索エンジンの検索結果に出たとしてもクリックすると「見当たりません」と出てきます(右図)。ところが、検索結果のすぐそばにあるキャッシュをクリックすると、存在していたころのページの保存記録がはっきりと表示されてしまうのです。

 そこにもし、メールアドレスや学校名など、個人を特定するものが残ったまま記録されていたとしたら、あるいは、すぐに消し去りたい写真や情報があったとしたら、一大事!! なぜなら…

キャッシュに保存されている元のページが存在しなくなっているので、
画像を削除したり文字情報の修正や消去をしたりという工作が何一つできず
キャッシュ自体が自動的に消えるのを待つしかないから

 ページの内容を変えさえすれば、次のページ更新のタイミングでキャッシュは更新されます。でも、ページが存在しなくなっている以上、キャッシュに保存された内容を変えることなんてできるわけがありません。