ここ数年、個人情報に関する意識が急速に高まり、あらゆる職場で顧客や社員の情報流出に気を付けるようになった。そんな時代を迎えたのに、いまだに個人情報が“尻抜け”になっているデータがある。それは、Excel・ファイルに残るユーザー名と会社名だ。Excelで作ったファイルを保存すると、ユーザー名と会社名が自動記録される(下図)。これが思わぬ誤解やトラブルを生むことがある。

作成者と会社名を勝手に記録、ファイルのプロパティで確認を

 私は仕事柄、たくさんのExcelシートを見てきたが、個人名と会社名を残したままファイルを送る人は実に多い。よく見かけるのは、子供のPTA向けに作成した書類に、平気で会社名を残している場合だ。ご丁寧に部署名まで入れてあるので、当人の職種までわかってしまう。また、私が主宰するExcel掲示板に寄せられる質問用のサンプルファイルも、個人名や会社名を残したまま送られるものがとても多い。

 「氏名と会社名くらい、知られても大丈夫だ」なんて、タカをくくってはいけない。そんな人に限って、他人が作成したシートを平気で流用している。これもユーザー名を見れば一発でわかる。また、会社名や部署名が新しく変わったのに、古い情報を残したままのファイルを送る人もいる。これは、取引先との間で誤解やトラブルを生む原因にもなりかねない。

 そんな恥ずかしい思いをしなくてすむように、個人情報が記録されている部分をしっかり確認しよう。まず「ファイル」メニューを開いて「プロパティ」を選択。画面が表示されたら「ファイルの概要」タブを開く。そこに「作成者」と「会社名」が記録されている。どちらも、Excelをインストールした後、初めて起動したときに登録される情報だ。