今回は、2つのテキストファイルを比較して、変更個所、つまり差分を調べるツールを作ってみます。会社や学校では、誰かに文章を校正してもらう機会はたびたびあります。その時、どこをどのように修正したのかを知りたいものです。2つの文章を見比べて違いを探すのは手間や時間がかかるし、なにより見落とす可能性があります。そこでテキスト差分を調べるツールの紹介と、それらを利用したプログラムの作り方を解説します。

テキスト差分を調べるツールの紹介

 はじめに、プログラムを作らないでテキスト差分を調べる方法を紹介します。本連載の趣旨である「プログラムを作って解決しよう!」からは少し外れますが、急いで目的を実現したい場合には、既存のものを活用するのが早いと言えます。

Wordを利用する

 恐らく、もっとも簡単な方法は Word を使う方法でしょう。はじめに、校正前と校正後の文章を Word ファイルとして保存しておき、(Word2007では)[校閲]タブの[比較]より2つの文書ファイルを指定します。これで詳細に校正個所が確認できます。

Wordを利用したテキスト差分の表示
Wordを利用したテキスト差分の表示
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フリーソフトの「DF」を利用

 もう一つ、フリーソフトの「DF」を使う方法があります。これは、行単位で2つのテキストファイルの差分を表示します。ある程度、長めの文章を比較する時、変更点が文章のどの辺りにあるのか、画面左のバーで視覚的に確認できて便利です。ただし、行単位での比較になるので、文字単位の場合はWordの方が便利かもしれません。

DFを利用したテキスト差分の表示
DFを利用したテキスト差分の表示
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