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尾花紀子「IT時代の子どもたちへ」

(1)子どもも同じ環境を利用することを意識して、大人はお行儀よくスマートに

尾花 紀子=ネット教育アナリスト 2009/05/08 PC Online

…という方もいらっしゃるのでは? そこで2週にわたって、ここ最近メディアで取り上げられたこと、気づいたことなどを題材に、4つの話題をご提供することにしました。

 GWのスタートとほぼ同時に、米3大自動車メーカーの1つであるクライスラーが経営破たんというショッキングなニュースが流れましたが、景気の悪化と共に、さまざまなシーンで大人たちの「背に腹は代えられない!」を感じます。その背景は理解してあまりある状況ですが、子どもたちまで巻き込むようなことだけは避けたいところ。子どもたちが安全に安心してインターネットを活用できる環境づくりのために、脳のリハビリも兼ねて(笑)柔軟な発想をしながら一緒に考えてみませんか?

〔その1〕無料ゲームサイトのCM

 午後6~9時は、比較的多くの子どもたちがテレビの前に座る時間帯。アニメをはじめ家族みんなで楽しむ番組が多く放送されます。ところが最近、この時間帯にも(日中もですが)、夜11時過ぎによく見かける無料ゲームサイトのCMが多く流れ出したような気がするのです。

 経済が上向きになる兆しが世界的にまだ見えてこない昨今、スポンサー料で放送をまかなっている民法各局は、より良い番組を制作・提供するためにCMを確保しようと懸命に頑張っていることは容易に想像できます。そんな事情が分かってはいてもやはり、小学生以下の子どもたちが中心になって見る番組の合間に「ケータイで無料ゲームを楽しもう!」というメッセージが流れるのは、保護者として決して好ましいことではありません。無料ゲームサイトのCMには大きな問題が潜んでいると思うからです。

 「ケータイが欲しい」という小学生に「買ってもらったら何をしたい?」とたずねると、ゲームは上位になります。保護者は安全のための連絡手段と考えて与えても、子どもたちはみんな「なかなか買ってもらえないゲームを、タダで自由にいっぱい楽しめる魅力ある機械」という一面を知っているからです。その情報源は、既にケータイを持っているお友達とテレビだったりします(乗り物やファミレスなどで自分の携帯電話を渡し、ゲームで遊ばせておとなしくさせているママも見かけますから、情報源はママという場合もあるのですが……)。

 可愛いキャラクターや楽しそうな雰囲気で子ども心をつかむCMですが、携帯電話のゲームメニューが入り口の子どもたちはたぶん、面白そうなところを片っ端から覗いて見ることでしょう。膨大なゲームサイトの中には、小さい子には読めない漢字や難しい表現が多い利用規約に「同意」して参加やダウンロードができるようになるところも普通に存在します。その文章の中に「当社から広告メールを送らせていただきます」と書かれていたとしても、先に進むことだけを考えて子どもたちは読まずにクリックしてしまいます。また、参加者同士がコミュニケーションを取れる無料オンラインゲームもたくさんあります。ゲームに参加することで、はるかに年齢の上の見知らぬ人たちと会話をする機会が自然と生じてくるわけで、こういったことを問題ではないと思う保護者はきっといないでしょう。

 同じ“おもちゃ”というくくりで見てしまいがちな「携帯ゲーム」と「家庭用ゲーム」ですが、こんな風に冷静にじっくり分析してみれば、区別する必要があることが見えてきます。欧米では、ファミリータイムには番組もCMも子どものいる家庭で楽しめるものを放送するよう自主規制が働いているという話を聞きます。午後8時台に殺人事件を扱うドラマが放送されるのも普通のこととなってしまっている日本ですが、せめてCMくらいは、番組の対象年齢を考えて選択してほしいなぁ~と望んでしまう私なのでした。

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