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柳澤大輔「面白法人カヤックのいきかた」

146:仕事で伸びる人、伸びない人

柳澤 大輔=面白法人カヤック代表 2009/05/04 PC Online

 今年も、4月に10人強の新しい社員がカヤックに入りました。新入社員の最初の出社日に、全社員参加で入社式を行いました。

 その日の出来事。

 最前列に緊張して座っている新入社員に向かって、ちょっといい話をするカヤックのリーダー陣。CTOは今年は去年よりも優しい話をしてるな・・・。ふむ。わが社のCCOも、いつも通り難解で支離滅裂な話をしている。なになに?「カヤックには倫理感はあるけど道徳感はない・・・うんぬんかんぬん」ふむふむ。でも誰もが、なかなかいいこと言ってるじゃないですか。自分もその話を聞いて触発されることがあったので、思いついたことをメモってました。

 で、緊張している新入社員を見て、ふと思ったのです。あれ?誰もメモを取っていないなぁ・・・と。

 そして、最後に僕に話す順番がまわってきました。

 「僕は、こんなことを今思っていました。『世の中は不公平だなぁ・・・』って。

 僕は、先ほどまで、リーダー陣やかいち(CTOのあだ名)やキャップ(CCOのあだ名)の話を聞いていて、感じるところがあり、メモをとっていました。で、ふと社員を見渡せば、誰もメモをとっていませんでした。しかしながら、そんなもんだとおもいます。僕だってソニーミュージックに新卒で入った時、入社式での社長の話をメモしていたか?というと多分していなかったかと思います。でも、僕は今確かにメモをとっていた。それは聞いたことを忘れないためにではありません。どっちかというと、聞いた話から何かを感じて、思いついたことをメモっていたのです。こんなことを自然に僕がしてしまうのは、なぜなんでしょうか?それは、僕が何かを発信しなければならない立場だからなのです。そう。僕はたった今まで、どんな話をしようかと考えていました。だからこそ人の話に耳を傾け、何かヒントはないかとアンテナを張らざるをえませんでした。

 そして、アンテナにひっかかったことに対して、僕は深く考えることが習慣化しています。

 つまり、僕のように誰かの前で何かを発言しなければならない立場にあるということは、切羽詰まって、より深い思考をしなければならない状況に必然的に追い込まれるということなのです。こうして僕はどんどん思考が深くなっていく。責任ある立場になればなるほど、どんどん成長していく。ぼけっと話を聞いてるだけの人は、いつまでもぼけぼけしている。これを不公平と言わずしてなんと言うのでしょう。

 かくして格差は広がり続けるのです」

 (ここで新入社員がメモを取り始めます)

 「今年の新卒の皆さんは、今その差がつく前のスタート地点にいます。
現時点では、優秀です。たぶん皆さんの先輩の採用時に比べても、より優秀です。それは採用を僕自身がしたからよくわかっている。年々採用のハードルが高くなっている。ちなみに、今行っている2010年度卒の新卒採用のハードルはもっと高い。たぶん今年受かった人の中にも来年だったら受からなかった人も正直いる、そのぐらいのスピード感です。

 でも、そんな優秀な君らが、はたして5年後に、今の5年上の先輩のようになれるでしょうか?僕はなれるかどうかはわからないと思っています。なぜなら、5年前に入った新卒の先輩は、本当に自分で試行錯誤せざるを得ない状況に追い込まれることが多かったからです。というのも、5年前なんてカヤックの中には何にもルールも整備されていなかった、つまり自分でそれをつくっていくしかない。そういう状況だから必然的に考えなければやっていけなくなります。逆に今入る君らはどうでしょう。新卒という形で入って、これからの新人研修もギブ&ギ部(管理系部署)が丁寧に計画してくれています。いたれりつくせりです。これ考えようによっては自分で考えるチャンスが少ないと言えます。つまり、自分の意識を高くもたない限りは、成長するスピードを比べたら5年前の新卒の方が有利だといえます。結局、どちらもどっち、世の中は本当にバランスが取れています。つまりチャンスは平等なのかもしれません。最初に言った、世の中は不公平だといったことと矛盾するようですが、そうなのですスタート地点では、そして考え方を変えれば、すべてにおいてチャンスは平等にあるのです。そこに気がつかないでぼけーっとしている人こそが不公平な目にあうのです」

 (一生懸命メモをとる新入社員)

 というエピソードは、前置きなのですが、今回はメモについて。

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