ライブドア元社長の堀江さんが出した本を、うちの社員からプレゼントされました。
 ということで、今回は、ライブドアについて、書いてみたいと思います。
 この会社は良くも悪くも本当にインパクトがあり、同じ業界で働く身としていろいろ考えさせられるきっかけを頂きました。

 で、書いてみたらずいぶんと長くなってしまったので、2回にわけます。

まずは、ライブドアとカヤックとの接点について

 カヤックとライブドアの接点は、カヤックが2000年に立ち上げたサービスT-SELECTを、ライブドアに2004年末に事業譲渡したこと。それが最初で最後であり、他にはまだ仕事などでご一緒したことはありません。

 売却したT-SELECTというサービスは、Tシャツ販売のオンラインショップ。とはいっても、単なるオンラインショップではなく仕組みが非常に面白いのです。デザイナーから毎週デザインを募り、10人欲しい人が集まったら生産をします。注文者が増えるとTシャツ単価が下がる。デザイナーは売れた分につき報酬が支払われる。人気のデザイナーはデザインの制約条件が広がったり、報酬を上げることができる・・・というユニークなサービスでした。

 このT-SELECTは、カヤック単独で立ち上げて数年後に、伊藤忠商事と事業提携しました。しばらくは二人三脚で、順調に成長したのですが、2社で運営を行うことによる難しさもあり、もっと事業シナジーのあるところに譲渡しようということになりました。その譲渡先候補の1社がライブドアでした。

 当時、ライブドアは、Yahoo!に追いつくために様々なコンテンツを補充している時期でした。また、堀江さんがテレビに出始めるくらいの時期で、ちょうどTシャツを来た社長という独特のキャラクターで取り上げられていたことも事業譲渡を実現させた背景にはあったかもしれません。

 T-SELECTはいわゆるネット的なユーザ参加型コンテンツでした(たとえば、パロディ作品など多く、なんでもありあり感があり、また即時性が売り・・・などなど)。そういう点でもライブドアは譲渡先として、他のポータルサイトよりも相性はいいだろうと思っていました。

 僕自身、堀江さんは御自分で手を動かしてWEBサイトを作られてきたこともあり、非常にインターネット的でマニアックなこのサービの価値を十分わかってもらえるだろうという印象ももっていました。

 実際、売却後には、ライブドアのコンテンツの1つになることで、ポータルサイトのトラフィックをいかし、幻のライブドアフェニックスTシャツ(野球球団買収計画時)や、想定外Tシャツ(当時の流行語)など、時事ネタをすばやくとりいれたTシャツを当てることができ、よく売れました。

 そして、このおかげで、我々カヤックと伊藤忠(株)は、いままでゼロから立ち上げて伸ばしてきた部分の対価と、さらに将来の可能性への対価、これを譲渡益という形で分けあい、プロジェクトとしてはよい形で着地することができました。素直に感謝です。