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小林 隆「デジタルでアナログな共同体」

満員電車をなんとかしよう!

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小林 隆=東海大学准教授 2009/04/09 PC Online

 新しい定期券を購入して新生活をスタートされた方も多いだろう。僕は通勤に電車は使わないのだけれど、たまに満員電車に揺られるとよくもマア、みんな毎日毎日、我慢してこんな電車に乗っているものだとつくづく感心する。役所、政治家、総理大臣にだって文句を言う日本人なのに…。

 まず、よく考えてほしい。日本人が満員電車に揺られてから何十年が経つのか? あの、殺人的なラッシュが事実として認識されたのは、テレビがまだ白黒だったころだろう。今やテレビは薄型液晶のハイテク機器になっているのに満員電車は満員電車のままなのである。

 満員電車の問題が発生してから10年ならいざしらず、鉄道会社は、電車が満員なのに沿線の開発を進めてきて、何十年もの間、あのラッシュ状態に乗客をすし詰めにして平気な顔で営業しているのである。複々線化に取り組んでいるなどと、今ごろになって言うのだから笑ってしまう。沿線の住民の反対運動があって都市計画が大変だったなどと言い訳するのかもしれない。でもあんな電車に毎日乗って通勤、通学をしていたら働く気も、勉強する気にもならないだろう。乗客のことはなぜ議論されなかったのだろうか?

 見ず知らずの人と身体を密着させるなんて、現代社会にあってもよい出来事なのだろうか? 完全に人権を無視しているのではないか? 痴漢の発生やサラリーマンの疲労困憊は鉄道会社にも責任があるのではないのか? 世界中どこを見たってこんなことが当たり前になっている先進国はない。外国人観光客がお笑いのネタに満員電車に乗るのが流行するくらい珍しくおかしな出来事なのである。

 その上、電車に乗り込んだ途端に、カラオケでも歌っているのかと思うくらいに、聞きたくもない車内放送を延々と繰り返す車掌がいる。たまに乗る地方の電車ならいざしらず、毎日乗る通勤電車で乗り換えの案内が必要なのか? ちょっとばかり遅れた理由が人身事故なのだと駅に止まるたびに「人身事故、人身事故…」と自分の責任ではないと言い訳がましく繰り返す。自殺が増えているというのに、あの苦しい満員電車通勤のそんなアナウンスで気分が滅入ってしまう人も多いはずだ。

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次ページ 過剰な忍耐を強いられる満員電車
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