「Windows 7のリリースは、Windows Vistaのリリースから3年後」――。これがWindows 7のリリース時期に関して、マイクロソフトが公式に認めている唯一の情報です。Vistaは、企業向けに2006年11月、個人向けに2007年1月に出荷されました。このため、Windows 7のリリースは2009年末から2010年初めという見方が一般的です。

 しかしながら、実際にはこれよりもずっと早く、2009年の夏にはリリースされるのではないかと私は予想しています。根拠の一つは、2月19日に発表された、企業向けの「Windows 7 先行優待キャンペーン」の実施期間です。これは、Windows Vista Businessを購入する企業に対して、Windows 7 Enterpriseへのアップグレード権を優待して提供するキャンペーンで、2月20日から6月30日まで実施されます。この「6月30日」という終了期日がポイントです。

 通常、このような優待キャンペーンは、Windows 7の登場を前に、Vistaの“買い控え”を防ぐ狙いがあります。「今Vistaを買っても、安心してWindows 7に移行できますよ。むしろ、今Vistaを購入した方が割安ですよ」とのメッセージを送ることで、Vistaの購入を促進するわけです。とすれば、このキャンペーンはWindows 7のリリース時期に近づけば近づくほど、意味をなしてきます。リリースが近くなるほど、買い控えの懸念が増すためです。

 従って、このキャンペーンはWindows 7のリリース直前まで実施する必要があります。逆に言うと、Windows 7のリリース時期を考えた上で、そこから逆算して実施期間を決めるのが自然でしょう。つまり、キャンペーンが6月30日に終わるということは、その直後にWindows 7のリリースが待っていると考えられないでしょうか。

 実際、Vistaのリリース直前にも同様の先行優待キャンペーンが実施されました。2006年7月1日から10月31日の期間で実施され、終了後の翌月となる11月に、Vistaの企業向け出荷が始まりました。すなわち、マイクロソフトは企業向けリリースの前月を、優待キャンペーンの終了期日と設定していたわけです。

 そう考えると、Windows 7の企業向け出荷は、早ければ7月にも開始される可能性があります。そして個人向けには、Vistaのときと同じ2カ月遅れの場合でも、9月に提供されることになります。