住民基本台帳カードを申請するために役所に出かけた。これが2度目の申請だ。転居時に前の住基カードを返納したまま、新住所ではまだ住基カードを取得していなかった。

 多くの皆さんが経験をお持ちだと思うが、ただでさえ多忙な日々の中で、引越しのためにやっと取った休みも、面倒な手続きで、あちらへこちらへと役所の窓口を渡り歩かなければならず、そのうえ電気やガス、電話にテレビと、手続き書類の作成や連絡に追われてアッという間に日が終わってしまう。

 「引越しの手続きは住基カードでワンストップ!」なんて魅力があるのなら、真っ先に住基カードを申請して、あとは時間のあるときにパソコンで対応するのだが、前回の申請では住基カードの発行に45分もかかった経験があったので、引越し時の住基カードの申請には躊躇してしまった。

 住基カードは使えないという評判がある。東京23区の電子申請メニューを「東京電子自治体共同運営サービス」のサイトで、各区から提供されている電子申請の種類数を調べてみた(2009年2月7日現在)。

 まず驚いたことに、葛飾区はなんと355種類もの電子申請ができるのだ。なんでも電子申請できる断トツの第1位である。第2位が中野区の176種類、第3位が荒川区の115種類と続く。こうした電子申請に熱心な自治体がある一方で、千代田区、文京区は電子申請で提供しているサービスが1つもない。断トツの最下位である。両区のホームページには独自の電子申請に取り組んでいる気配もない。そして下から3番目が杉並区でサービスはたったの2種類というお寒い状況である。電子申請への取り組み状況は自治体によって大きな差がある(図1)。

図1 東京都23区が提供する電子申請サービスの種類数(2009年2月7日現在) 出所:東京電子自治体共同運営サービスの自治体別手続一覧から筆者作成
図1 東京都23区が提供する電子申請サービスの種類数(2009年2月7日現在) 出所:東京電子自治体共同運営サービスの自治体別手続一覧から筆者作成