12月の頭にシリコンバレーに行ってきました。

 Google、Apple、Adobeなど、名だたるIT企業を訪問してきたのですが、今回の最大の目的はIDEO社への訪問でした。

 このIDEO社は、僕ら面白法人カヤックが、以前からベンチマークしている企業のひとつ。会社は一社一社、規模も事業も異なるので、この会社のようになりたいってところをピンポイントで見つけるのは難しいものです。でもカヤックにとって、このIDEO社は僕らの目標として据えることができそうな気がしていました。それが本当に正しいのか、確かめたく見に行ってきたというわけです。今回はその訪問記です。

 で、まずは訪問記の前に、読者の皆さんにIDEOについて、説明します。ご存じない方もいらっしゃると思うので。

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 IDEOは、米カリフォルニア州パロアルトに本拠地を持つ、デザインコンサルティング会社です。およそ550名の社員が、パロアルト他7つの拠点で働いています。IDEOがデザイン対象とするのは、製品にとどまらず、サービスや環境、デジタルエクスペリエンスにまで及びます。

 フィールドワークによるユーザー観察や、頻繁に行われるブレインストーミング、「ラピットプロトタイピング」と呼ばれる、試作品を早期に作ってしまう手法など、ユニークなデザインプロセスを持つことでも知られています。実際の製品では、アップル社のマウスや、PDAの「Palm V」など数多くの製品を生み出しています。

 近年は自らデザインを手掛けるだけでなく、他の組織や企業内の問題をデザインを使って解決する仕組みづくりの手法を、その組織に根付かせるための、コンサルティングにも力を注いでいます。

 また、チームワークやメンバーシップを重要視していることもIDEOの特徴です。全オフィスを結んで「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」を作ってしまうなど、仕事にも遊び心を持ち込み、仕事と私生活を割り切る傾向が強い欧米の会社には珍しく、家族的にな雰囲気をもっています。

 このように、ブレーンストーミングを大切にする。仲間を大切にする。遊び心を大切にする。新しいものを生み出し続ける(イノベーション)。など、面白法人カヤックとの共通キーワードがいくつもあります。

 IDEOは、世界的にも高い評価を受けていますし、企業の規模、社会への影響力、歴史、といった点でも、面白法人カヤックのはるか先を行っています。

 その大先輩に、思い残すことがないよう、さまざまな質問をしてまいりましたので、カヤックとIDEOの違いという視点から(比較するのもおこがましいですが・・・)報告します。