前回に引き続き、面白法人的ラボBM11が2008年にリリースしたものを振り返ります。年88個の新プロジェクトリリースという目標実現に向けてひた走っている途中ですが、今日、紹介するプロジェクトは、なんでも、夏休みの宿題の読書感想文や絵日記を書くのを横着したい人に、使ってもらうサービスだとか。
そして今回のテーマは、『難しいことを深追いしすぎるな』
デター!カヤック得意のパロディ系。ネーミングをみていただくとわかるように、デスノート(週刊少年ジャンプ連載 原作:大場つぐみ・作画:小畑健)から、出てきています。
どのようなサービスなのか?
本のタイトルを入れると自動で読書感想文をつくってくれる。ちょっとした情報を入れると自動で絵日記を作成してくれる。という機能があるようです。
ふむ。発想としては悪くない。いってみれば脳内メーカーなどのように、情報を自働生成するジェネレーター系。内容次第ではバズの可能性もないわけじゃない。
で、使ってみました。読書感想文。
だいたい原稿用紙1枚に収まりきってないし、なんだか全然意味がわからない。これじゃぁ、自動生成といっても意味がなさすぎる。本のタイトルを入れたら、Amazonの書評とかから取ってきて、もっとそれらしい本の中身を反映させた内容にしてくれたらいいのに・・・。
そう、開発者に言ったところ、「Amazon書評の取得はすでにやっています。感想文を書くロジックは、直近の結果を元に次に出現する確率を算出する「マルコフ連鎖」という手法でレビューのテキストから文章を生成しています」という返事。
へぇ。結構、すごいエンジンで自動生成しているのですね、でもアウトプットされたものからは全然それが伝わってこない。惜しい。実に惜しい。
で、絵日記も使ってみました。とりあえず、「10月1日 今日、公園で缶けりした。」
と入力してみる。うむ。これもまた、なんだかわからない絵がでてくる。絵日記だから絵が肝だと思うのだけど、この絵はどうやって自動生成しているのでしょうか?
「日記本文中のキーワードを元に類似する画像を取得して、悪魔っぽく調整した水彩風のフィルタ処理をして自動生成しています」(開発者より)
なるほど、これもまたいいじゃない。でも、悪魔っぽくする意味がちょっとわからないけど、あぁ、デザインがそういうデザインなのか・・・。でも、意味がほんとにわからない・・・もったいない。
しかも、ふと見るとこのサービスリリースしたの9月1日じゃない・・・夏休み終わってリリースしてどうすんのよ・・・
結局当初の想像以上に開発期間がかかったのと、アウトプットがわかりやすい表現になかなかならなかったことに加えて、中途半端な状態でのリリース(ほんとは読書感想文と絵日記のほか、自由研究も加えた3本立ての企画。自由研究はいまだに未開発)。発想としては面白かっただけにもったいない。
まあ、実はインターネット上では、よくあります。つくってはみたけどなかなかイメージ通りにならない。受託の仕事でも実験的に作ってうまくいかなかったから企画を変更というプロセスはよくあること。でもきっとそれは必要不可欠なプロセスだと思うんです。そもそも、最初からできるとわかっていることをやっても新しいものは生まれてこない。
やってみて、意外と簡単にできたらもうけもの。難しければ深追いせず、適当なところで出す。そこもひとつのポイントでしょうか。
ああ、そう言えば、もうひとつありました。先日ロイター通信で配信され、海外でも話題になったサービスです。