ある日、中学1年生の大樹さんに出会い系サイトからたのんでもいないのに広告メールが届きました。その広告には「今後このメールを希望しない方は、このまま返信してください。配信リストから削除いたします」と書いてあります。こんな広告は欲しくなかったので、そのまま返信しました。しばらくすると、大樹さんに大量の広告メールが届くようになりました。次の日も、次の日も何通も届きます。どうしてこんなことになってしまったのか、大樹さんにはまったくわかりません。身におぼえがあるとしたら、1通の広告メールに返信しただけです。

解説

スパムメールとは?

 スパムメール(迷惑メール)とは、一方的に送りつけてくる違法な広告や勧誘が目的のメールです。メールの内容は、インチキ広告、アダルトサイト、出会い系サイト、コピーソフト販売、ビジネスの勧誘などいろいろですが、中にはワンクリックサギなどのワナもあります。

なぜスパムメールが届く?

 迷惑なスパムメールですが、どうしてアドレスを知っているのでしょうか。たしかに、アドレスを知っていて送ってくることもありますが、業者はそれ以外にも次のような方法でアドレスを集めています。

○アドレスを自動作成する

 メールアドレスを自動的に作成してメールを送信するソフトを利用して、業者は1日何百万通というメールをインターネットに送ります。適当につくったアドレスですが、それだけ送ればいくつかはぐうぜん本当の人に届きます。

○ウェブページから集める

 多くのウェブページには、連絡先としてメールアドレスが書いてあります。そのアドレスを自動的に集めるソフトがあるのです。数日間ソフトを動かしておくだけで、何万というアドレスを集めてきます。ウェブページを公開したらスパムメールが届き始めた、という場合はこのケースでしょう。

○アドレスを買う

 いろいろな方法で集めたメールアドレスは、名簿業者が買ったり売ったりしています。大樹さんに急にたくさんのスパムメールが届き始めたのは、売買される名簿に大樹さんのアドレスがのってしまったと考えられます。

スパムメールはとにかく無視

○スパムメールに返信しない

 「メールがいらないから返信してください」とはうまく考えたものです。しかし、結果はまったく逆です。返信することで、「このアドレスは本当のアドレスです」と業者に教えることになります。

○メールにあるURLをクリックしない

 メールにURLが埋め込まれていたら、絶対にクリックしてはいけません。ワンクリックサギや、メールアドレス収集などのワナが待っています。

○困ったらアドレスを変える

 たくさん届くようになってしまったら、アドレスを変えることで防ぐことができます。また、公開用には無料のフリーメールを使うと、メインのアドレスを守ることができます。

保護者の方へ

的確なブロックをする リンクをクリックしない

 今、子どもたちにも容赦なくスパムメールは送りつけられています。ケータイにはスパムメールをブロックする設定がいくつかありますので、それらを設定してあげることで安心できます。ただ、設定をして終わりではなく、将来のことも考えて、返信しないことと、リンクのURLをクリックしないことは話しておいてください。