円グラフには、数値の「構成比」を自動表示する機能がある。だが、3つの同じ値から円グラフを作ると、1つだけ違う比率に…。原因は、エクセルが小数点以下を自動で丸めて表示するため。その仕組みを理解しておかないと、思わぬ誤解を招く恐れがある。

 「エクセルは表計算ソフトだから、常に正確な値を表示する」と信用するのは早計だ。もちろん、「エクセルは計算ミスをする」と言いたいわけではない。数値や計算は正しくても、“画面上”は違った結果を表示することがあるのだ。特に注意しなければならないのは「小数」の表示である。

 その証拠に、上の図を見てほしい。ある売上台数表を基に、メーカー別のシェアを円グラフで示したものだ。円グラフには、構成比をパーセントで示す機能があるので、それを利用している。

 ところが、よく見るとおかしな点に気付く。表の数値は三つとも同じなのに、一社だけ「三四パーセント」と一ポイント高く表示されている。どういうことだろう。

 この謎を解くには、エクセルが自動で行う“丸め処理”の仕組みを理解する必要がある。

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