人に見せたくないデータを、行や列を非表示にして隠すことがある。隠してシートを「保護」すれば、本当に秘密は守れるのだろうか?実は、非表示にされたセルを丸見えにする方法はいくらでもある。個人情報や機密の漏えいを防ぐ手段にはならないので要注意だ。

 エクセルでは、特定の行や列を非表示にして、セルを隠すことができる。それには、隠したい行や列を選択し、右クリックメニューで「表示しない」を選べばよい。

 もちろん、単に非表示にしただけでは、両側の行や列を選択して右クリックメニューで「再表示」を選べば、元通りに表示されてしまう。再表示を防ぐには、行・列を非表示にしたうえで「シートの保護」を実行する必要がある。

 すなわち「ツール」メニューの「保護」→「シートの保護」を選択し、開く画面で「ユーザーに許可する操作」をすべてオフに指定。「パスワード」を設定して「OK」を押せばよい。これで、パスワードを知る人以外はシートを操作できなくなり、行や列の再表示も不可能となる。

 このことから、「他人に見せたくないデータがあっても、行や列を非表示にして、シートを保護しておけば安心」と考える人は少なくない。しかし、顧客の個人情報や重要な機密情報を含むファイルを他人に渡すとき、隠したい部分を非表示にしてシートを保護しただけで「情報漏えい対策は万全」と思っている人がいたら、それは大変な誤解だ。

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