カヤックという会社は、ほんとにブレインストーミングの開催が多い会社です。

 1人あたり、いったい週に何回ぐらいブレストに参加をしているのでしょうか。人によっては10回ぐらい軽くカウントできるのではないでしょうか。 

 ブレインストーミング、略してブレスト。

 僕は、仕事をしていてどんな時が一番楽しいか?と聞かれたら、迷わず「ブレストをしている時です」と答えています。それは次から次にあっちこっちと話題を飛ばしても怒られないブレストという行為そのものを僕個人が好きだからということもあるのですが、「何をするかよりも誰とするかが重要」というカヤックの考え方を体感させてくれる場でもあるからです。

 詳しく解説します。

 カヤックにおけるブレストのルール。

 1:心の底から相手のアイデアを肯定すること
 2:アイデア力のある人は、アイデア力のない人のアイデアを膨らませること
 3:とにかく必ず何か言うこと

 1の「心の底から相手のアイデアを肯定すること」

 もともと、ブレインストーミングは、出たアイデアを否定してはいけないと一般的に言われています。でも、この言葉を本当に理解している人はどれだけいるでしょうか。否定しないというのは、単に否定的なことを口にしない、というだけではだめなのです。“イケテナイ”アイデアが出ても、心の底から肯定する。

 それは、そういった“イケテナイ”アイデアが出るプロセスも、いいアイデアが出るために必要な工程と捉えることです。そのように思った結果、上記2の「アイデア力のある人は、アイデア力のない人のアイデアを膨らませること」につながってきます。すなわち、イケテナイなぁと思うようなアイデアが出ても、それを聞き流さないで、1歩立ち止まってそこを膨らませてみる。

 実際問題、そういったことはよくあります。いいアイデアが出た時も、そのきっかけは、最初に“イケテナイ”アイデアが発端だったりするんです。そういった工程を何度も体験すると、どんなアイデアが出た時でも、無駄じゃないなと思えるようになります。つまり、ブレインストーミングに参加する人たち全員がそのような意識を持たなければなりません。

 そして、「3のとにかく必ず何か言うこと」。そもそも何かを言わない限り、そういった自分の発言が発端となって、いいアイデアが生まれてくるという経験をすることができません。だからとにかくブレストに参加した人は発言しなければならない。

 それでも、ブレスト経験の浅い人が発言するのは難しいものです。発言ができない人には、3つのパターンがあるようです。

 1つ目は、心の中で思いついてはいるのだけど、自分のアイデアに自信がない、言ってもしようがないと思う。そもそも恥ずかしい。