XPからの移行先を考えると、現在入手できるOSとしては、7または8になる。いずれの場合も、パソコンごと買い替える方法と、OSのみをアップグレードする方法があるが、一般的にはパソコンを新調するのが望ましいだろう。XPをプリインストールしていた当時に比べて、CPUの高速化やハードディスクの大容量化など、パソコンの性能は格段に向上している。サポートが終了するXPに対しては、セキュリティ面での信頼性が強調されているが、それ以外にも7/8のパソコンに乗り換えるメリットは多い(図1)。

●7/8のパソコンに乗り換えるメリット
図1 7/8は高速化が図られているほか、省電力機能を強化。また、32ビット版が主流だったXPに対して、7/8の搭載パソコンは64ビット版が多く、大容量のメモリーが使える。最新のパソコンに買い替えれば、ハードウエアの性能も大幅に上がるので快適だ
図1 7/8は高速化が図られているほか、省電力機能を強化。また、32ビット版が主流だったXPに対して、7/8の搭載パソコンは64ビット版が多く、大容量のメモリーが使える。最新のパソコンに買い替えれば、ハードウエアの性能も大幅に上がるので快適だ
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 例えば、起動の高速化。とりわけ8には「高速スタートアップ」という新機能があり、仮に同じスペックのパソコンでも、より高速に起動する。新しいパソコンなら、ハードウエアの性能差も加わり、XPよりも相当速く感じるはずだ。

 また、最新のパソコンは、省電力機能が強化されている。OS自体の電力消費が抑えられているほか、東日本大震災後の電力不足を契機に、メーカー各社は節電ツールを標準搭載。よりきめ細かな電力管理が行える。「大まかにいうと、XPパソコンと比べて2割前後、消費電力を減らせたケースもある」(大塚商会の相澤氏)という。節電やコスト削減が求められる企業にはありがたい。ノートパソコンなら、バッテリーの大容量化と併せて、駆動時間の大幅な延びを期待できる。

 32ビット版が主流だったXPに対して、7/8のパソコンは64ビット版が主流になるのも利点。扱えるメモリー容量が増えるので、大容量のデータや多数のソフトを使うときでも快適に動作する。