HDDは、OSやソフトなど、さまざまなデータが保存され、その性能はパソコンの使い勝手を左右する。

 HDDが遅くなる要因は2つ。1つはファイルの断片化だ。パソコンを長年利用すると、ファイルの移動や上書きが繰り返され、HDD上でデータが分散する(図1)。データは連続している方が高速に読み出せる。ファイルの断片化は、アクセス速度を低下させ、起動時間に悪影響を及ぼす。使い方にもよるが、100GBクラス以下の容量の小さなHDDだと、連続した空き領域を確保するのがだんだん難しくなり、ファイルの断片化が進みやすくなる。

●HDDは使い込むほど遅くなる
図1 ファイルの断片化は、ファイルの書き込みや削除を繰り返して、連続した空き領域が少なくなることで起こる。点在した状態のデータを読み出すので、HDDのパフォーマンスが落ちる
図1 ファイルの断片化は、ファイルの書き込みや削除を繰り返して、連続した空き領域が少なくなることで起こる。点在した状態のデータを読み出すので、HDDのパフォーマンスが落ちる
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 長年使い込んだHDDを、Windows標準の「ディスク デフラグ ツール」で調べると、図2の最適化(断片化の解消)を促すダイアログが表示されることがある。Windows XPの場合、「レポートの表示」により断片化ファイルの詳細を参照できる(図3)。環境にもよるが、断片化が進行したファイルだと、たった1個で断片が数千個にも及ぶ。これだけのデータがHDDにばらまかれているのだから、読み書きに時間がかかるのも当然と言えるだろう。

図2 Windows XPの「ディスク デフラグ ツール」では、ファイルの断片化が著しいと分析後に上図のようなダイアログが表示される。「レポートの表示」をクリックすると「分析レポート」が開く
図2 Windows XPの「ディスク デフラグ ツール」では、ファイルの断片化が著しいと分析後に上図のようなダイアログが表示される。「レポートの表示」をクリックすると「分析レポート」が開く
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図3 分析レポートの「最も断片化されたファイル」欄では、断片化が特に進んだファイルと断片数が分かる。断片が数千個にも及ぶファイルもある
図3 分析レポートの「最も断片化されたファイル」欄では、断片化が特に進んだファイルと断片数が分かる。断片が数千個にも及ぶファイルもある