「描画が極端に遅くなった」「ハードディスク(HDD)のアクセスが頻繁に発生して処理が停止する」(図1)──。長年パソコンを使っていれば、こうしたトラブルに遭遇することは1度や2度ではないだろう。パソコンの処理が滞ってしまうと、作業も停滞してしまう。
もちろん、こうした不具合の原因は、パソコンの性能不足とも考えられる。市販のソフトなどには、動作環境やシステムの要件が表記されており、システムのプロパティに表示されたパソコンの構成と、照らし合わせることでパソコンの性能が十分か確認することができる(図2)。
ただ、一般的なソフトの動作環境は、動作周波数が1GHzのCPUや、容量が512MBのメモリーといったところ。これならば、5年ほど前の古いパソコンでも、仕様を満たせる公算が高い。動画編集ソフトやゲームなど負荷の高い一部のソフトを除けば、単一ソフトの動作で性能が不足するケースは少ない。
使い方も速度に影響
実は、パソコンの処理速度は、使い方などの影響を大きく受ける。例えば、メモリーの空き容量。メモリーの空き容量はWindowsの速度に大きく作用するが、同時に開くファイルの数やソフトの起動法によって空き容量は上下する。CPUも同様だ。同時に実行するソフトの数や種類で、CPUの稼働率が変化する。
見落とされがちなのがHDD。HDDを長い間メンテナンスせずに使用していると、空き領域が減っていき、アクセス速度やデータ転送速度が落ちることがある。このように、使い方によって速度差が生じる可能性がある。