インターネットに仕掛けられている罠の一つが「ワンクリック詐欺」。情報セキュリティの相談を受け付けている情報処理推進機構(IPA)には、ワンクリック詐欺に関する相談が多数寄せられている(図1)。

●被害報告が相次ぐ、1カ月で900件を超えることも
図1 情報処理推進機構(IPA)に寄せられた、ワンクリック詐欺(ワンクリック不正請求)に関する相談件数の推移。2010年8月には、過去最多の935件に達した
図1 情報処理推進機構(IPA)に寄せられた、ワンクリック詐欺(ワンクリック不正請求)に関する相談件数の推移。2010年8月には、過去最多の935件に達した
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 ワンクリック詐欺とは、有料サービスに登録したと思わせて、架空の料金を請求する詐欺のこと(図2)。詐欺師は、検索サイトや迷惑メールを使ってユーザーを詐欺サイトに誘導し、金銭をだまし取る。

●ウイルスを使って「消えない請求画面」を表示
図2 ワンクリック詐欺の手口例。以前は、有料会員に登録したとして、Webページ上でユーザーを脅す手口がほとんどだった(左)。現在では、ウイルスを使う手口が主流(右)。パソコン画面に請求画面が表示され、パソコンが著しく使いにくくなるので無視することが難しい
図2 ワンクリック詐欺の手口例。以前は、有料会員に登録したとして、Webページ上でユーザーを脅す手口がほとんどだった(左)。現在では、ウイルスを使う手口が主流(右)。パソコン画面に請求画面が表示され、パソコンが著しく使いにくくなるので無視することが難しい
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 従来の手口では、詐欺サイトの画像などをユーザーがクリックすると、「登録が完了した」などと表示して、料金を支払うよう求める(図2左)。

 この手口では、ユーザーが無視すれば、被害に遭うことはない。Webブラウザーを終了すれば、料金請求は表示されなくなる。