Webブラウザーでよく押されるボタンの1つが「戻る」ボタン。だが、「戻る」ボタンを押しても、前のページに戻れないことがある(図1)。原因は、移動前のページと移動後のページの間に「リダイレクトページ」があるためだ(図2)。

【「戻る」を押しても、同じページが表示され続ける】
図1 Webブラウザーでよく押されるボタンの1つが「戻る」ボタン。だが、「戻る」ボタンを何度押しても、移動前のページに戻れずに、現在のページが表示され続けることがある
図1 Webブラウザーでよく押されるボタンの1つが「戻る」ボタン。だが、「戻る」ボタンを何度押しても、移動前のページに戻れずに、現在のページが表示され続けることがある
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【見えない「リダイレクトページ」が原因】
図2 「戻る」ボタンを押してもWebページBからAに戻れないのは、リダイレクト用のWebページB'が間にあるため。WebページB'では、アクセスしたユーザー(ブラウザー)を、METAタグなどを使ってページBに強制的に移動させる
図2 「戻る」ボタンを押してもWebページBからAに戻れないのは、リダイレクト用のWebページB'が間にあるため。WebページB'では、アクセスしたユーザー(ブラウザー)を、METAタグなどを使ってページBに強制的に移動させる
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 ここでの「リダイレクト」とは、あるWebページにアクセスしたユーザーを、別のWebページに誘導すること。リダイレクトページは、Webページを引っ越した場合などに使われる。例えば、「ページB」を公開しているサイト運営者が、そのURLを変更したとする。すると、今までのURLにリンクを張っている「ページA」からは、新しいページBにアクセスできなくなる。

 そこでサイト運営者は、リダイレクト用の「ページB’」を今までのURLに設置。そのURLへのリンクをクリックした場合には(図2(1))、リダイレクト用のページB’を経由して(同(2))、新しいWebページBにアクセスできるようにする(同(3))。ページB’の表示時間はサイト運営者が自由に指定できる。表示時間を「0秒」とするとページは瞬時に切り替わるので、ユーザーには、ページAからBに移動したように見える(同(4))。

 リダイレクトさせる方法は複数あるが、以前からよく使われているのが「META(メタ)タグ」と呼ばれる命令(タグ)を使う方法だ。METAタグは、Webページに関する情報をブラウザーなどに知らせるためのタグ。METAタグの情報は、ブラウザー上には表示されない。リダイレクト以外にも、Webページのキーワードや制作者に関する情報を埋め込むといった用途に利用される。

 便利なリダイレクトページだが副作用がある。それが「『戻る』ボタンで戻れない」という現象だ。移動先のページBで「戻る」ボタンを押すと(図2(5))、リダイレクトページに戻り、すぐに元のページBが表示されてしまうのだ(同(6))。