パソコンの仕組みをより深く理解するには、パソコンの自作が早道だ。「自作するのは一部のマニアだけ。自分にはとても無理」と決めつけていてはもったいない。どんなパーツを組み合わせるか悩んだり、パーツを買いに店舗を訪れたりしているうちに、自然とパソコンの知識が身に付いていく。何より、自分で組み上げていくのは楽しいし、実際に手を動かすことで、パソコンやパーツの理解度が飛躍的に向上する。

 最近では、インターネット通販でパーツを購入できるようになった。ドライバーなどの工具を一切使わずに組み立てられるパソコンパーツも販売されている。

 メーカー製パソコンにはないようなマシンが作れる点も自作の魅力だ。以下では、ユニークな3種類のパソコンを紹介する。具体的な手順については、「日経WinPC」および「パソコンの自作(日経WinPC 臨時増刊)」を参照してほしい。

作例(1) 2個のSSDでRAID 0を組んだ超速パソコン

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 SSDを2台使い、RAID 0(ストライピング)構成でデータを読み書きする速度を圧倒的に高めたパソコン。CPUやメモリー、グラフィックスボードはミドルクラスのパーツを組み合わせているが、その分ストレージで一工夫した。1台のHDDのみ搭載した場合と比べ、順次読み出し速度が約3.5倍に、ランダム読み出し速度は7.8倍を超えている。SSDは、64GBモデルが約1万4000円の「CSSD-SM64WJ3」を2個利用。お手ごろ価格のSSDを2台使って、高級SSD単体を超える速度を実現した。パソコンは1カ所遅いパーツがあると全体的な速度が低下する。遅いストレージを見直すことで問題を解消、高速化を図ったわけだ。

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順次読み出し速度は、RAID 0構成を組むことで、HDDおよびSSD共に速度がほぼ2倍になった。一方、サイズが512KBのファイルのランダム読み出し速度は、1台のHDD構成時と比べ7.8倍以上も高速だった
順次読み出し速度は、RAID 0構成を組むことで、HDDおよびSSD共に速度がほぼ2倍になった。一方、サイズが512KBのファイルのランダム読み出し速度は、1台のHDD構成時と比べ7.8倍以上も高速だった
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1万4000円前後で購入できる手ごろなSSD(CSSD-SM64WJ3)を2個用意してRAID 0構成を組んだ
1万4000円前後で購入できる手ごろなSSD(CSSD-SM64WJ3)を2個用意してRAID 0構成を組んだ

CPUやメモリー、グラフィックスボードなどのパーツは、ミドルクラスの製品を選択した
CPUやメモリー、グラフィックスボードなどのパーツは、ミドルクラスの製品を選択した