●すべてのパーツがつながるパソコンの土台

●搭載するソケットやチップセットで使えるCPUが変わる

●「BIOS」でマザーボードの機能を設定

[画像のクリックで拡大表示]

 パソコンを構成するパーツの中で、土台の役目を果たしているのがマザーボードだ。すべてのパーツはマザーボードに接続されており、CPUやメモリー、HDD、周辺機器などは、マザーボードを介してデータを受け渡す。

 マザーボードは、その大きさや形状、インタフェースの位置などが規格で決められている。例えばデスクトップ機の場合、ミドルタワー型で主流となっているのが305×244mmの「ATX」規格。それより小型の「microATX」(244×244mm)や、「Mini-ITX」(170×170mm)などもある。

 一方、メーカー製のノートパソコンやディスプレイ一体型のほとんどは、小型化や独自のデザインを打ち出すため自社設計のマザーボードを搭載している。ただ、マザーボードが担う役割や機能は同じ。実装している端子や拡張スロットなどもほぼ同じだ。以下では、ATX規格のマザーボードを例に、主なソケットやスロット、搭載チップを解説する。

主流はLGA1156ソケット

 この1年で大きく変化したのが「CPUソケット」と「チップセット」である。CPUソケットは、その名の通りマザーボードにCPUを取り付ける挿し込み口のこと。いくつか種類があり、主流になりつつあるのが「LGA1156」だ。同スロットには、2010年1月に登場したインテルの新型CPUである「Core i5」や「同i3」シリーズが装着できる。CULVのCeleronや1年前まで主流だったCore 2 Duoなどは「LGA775」ソケットに挿して利用する。LGA1156とLGA775は、形状や信号ピンの数が異なるため、それぞれ対応したCPUしか取り付けられない。

 ノートパソコンや一部のディスプレイ一体型は、「Core i5-5xxM」といった末尾に「M」が付くモバイル用途のCPUを採用している。これらモバイル用CPUはソケット方式でなく、あらかじめマザーボードにはんだで直付けされており、デスクトップ機のように別のCPUに替えることはできない。