渡辺 勝弘、園田 道夫、有限会社タプレ

 いつの時代でも投資に関する詐欺事件は後を絶ちません。証券詐欺は、「高配当」「元本保証」などをうたい文句に投資家から資金を集め、何かと理由を付けて配当金どころか預かった資金も返還せずに姿をくらましたり、会社が倒産したなどを理由に返済を逃れようとする古典的な手ロです。

 これまで証券詐欺は、主に経済誌や電話、ダイレクトメールなどで行われることがありました。ところが、現在ではインターネットを使い、低コストで効率的にだませるようになりました。

 ウェブサイトや電子メールで、「元本保証、年XX%の高利回り。ローリスク、ハイリターン」などをうたい文句に、ベンチャー企業への融資を持ちかける広告を目にしたことはありませんか。あるいは「資金を融資しますから、投資しませんか」などとメールで勧誘してくることもあります。特に後者は、悪質な貸し金業者が営業していることがあるようです。

 簡単で確実に利殖できるのなら、誰でも飛びつくことでしょう。美味しい話には落とし穴が付きものです。

 投資話のすべてが詐欺ではありませんが、通常の金利よりも極端に高い利回りを保証するなど、うますぎる話には疑ってかかるぐらいの気構えが必要です。同時に、投資話を持ってきた相手が、証券業や投資顧問業の登録をしているか、確認をすることも大切です。また、インターネットでは情報が流れやすいため、出所の知れないロコミでの投資話も目にする可能性は高いですが、こうした話に投資するのは、リスクが高いと言えるでしょう。

  うまい話にトゲがあるのは当たり前

イラスト:きよすけ、笹野 喜嗣