渡辺 勝弘、園田 道夫、有限会社タプレ

 内職商法詐欺とは、在宅でできる簡単なアルバイトを紹介する、と言葉巧みに誘い込み、作業内容の講習会費や必要な機材を購入させることでお金をだまし取るものです。結局仕事は紹介してもらえません。以前からありましたが、パソコンとインターネットの普及で内職商法も様変わりしました。

 最近の内職商法詐欺では、「パソコンを使ったデータ入力」「ホームページ作成」などの誘い文句が良く使われるようです。これらはいずれも、講習会を受けて試験に合格すると定期的に仕事を依頼するなどとうたい、入会金や教材費などを要求します。実際には試験になかなか合格できず、合格したとしても仕事が紹介されることはありません。教材としてパソコンやワープロを高額で売りつけられるケースもあります。

 内職の募集に対して安易に資料請求をすると、すぐに業者から連絡がきて、しつこく勧誘されることも多いようです。多くの場合、“健全”な内職は派手な広告などで勧誘することはあまりありません。

 仕事の紹介方法や報酬の内容に不自然さを感じたら、まず怪しいと思って間違いないでしょう。例えば、必要な機材を高額で購入させようとする、入会金などの前金を要求する、強引な勧誘をしたり契約を急がせたりする業者は要注意です。申し込む時でも、契約書などは必ず書面で取り交わし、クーリングオフの記述があるか、委託内容や契約条件が明記されていて怪しい記述がないか、などを確認しましょう。あやふやな回答なら契約を断るぐらいの覚悟で望むことが重要です。

  前金を要求する内職は避けるべし

イラスト:きよすけ、笹野 喜嗣