渡辺 勝弘、園田 道夫、有限会社タプレ

 使わなくなった物を出品するケースも多いでしょう。一度でも使っていると、気付かないところが汚れていたり、小さな傷が付いていることがあります。落札後、こういった細かいポイントをついて返金させ、品物を返品しない返品詐欺があります。

 ブランドもののバッグを出品した原田さん(仮名)。トラブルもなく取引が完了しました。

 ところが、品物を受け取った落札者から「記載にはない汚れがあった」というクレームで、返品したいとのこと。出品前に細かくチェックしたつもりでしたが、気の弱い原田さんは「見落としていたところがあったのかもしれない」と思い、返品に応じることにしました。

 落札者からは「振り込み確認後、送料着払いで送るので、振り込んだら連絡ください」とのメールがきました。落札者の要望通り振り込み、メールで伝えました。

 バッグが戻ってきたらもう一度チェックしようとしていましたが、なかなか到着しません。そこで落札者に確認のメールを送ってみたところ、あて先不明で戻ってきてしまいました。ユーザーIDも削除しているようです。このとき初めてネット詐欺にあったことに気付きました。

 原田さんは、すぐに返金せず、バッグの汚損状態を画像で送ってもらってから話を進めるべきでした。なかには、気に入らないとわざと汚したり、傷を付けて返品を要求する人もいるので要注意です。出品前にいろいろな角度から撮影しておくことも大切です。

  出品前に証拠写真を残しておけ

イラスト:きよすけ、笹野 喜嗣